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鈴木寛「混沌社会を生き抜くためのインテリジェンス」

ドラえもんと学び直す「親子の政治教育」

鈴木寛 [文部科学大臣補佐官、東京大学・慶応義塾大学教授]
【第37回】 2015年8月27日
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リクルート事件の“トラウマ”
「政治家は悪い」と思い込む30~40代

政治は、私たちの生活や人生にとても大きなことだからこそ、時には親子で見つめ直すことも大切だ

 こんにちは、鈴木寛です。

 来年夏の参議院選挙が、選挙年齢が18歳に引き下げられて最初の投票となる公算が高くなりました。新しい有権者の中には一部の高校3年生も含まれます。連載第33回で取り上げたように、高校生にどう政治教育をしたらいいのか、模索や議論が続いています。

 しかし、高校生だけではありません。そもそもの話、学校教育では政治と真正面から長く向き合ってきませんでした。小学生には小学生なりの、中学生には中学生なりの、そして親御さんには親御さんなりの「政治教育」というのも、連動して見直していかなければなりません。

 ダイヤモンド・オンラインをお読みの読者の中には、30~40代で小学生のお子さんがおられる方々も多いと思います。皆さんにとって「政治」というと、どんなイメージがあるでしょうか?

 30~40代の皆さんは、もしかしたら政治に対してダーティな印象を持っている方もいるかもしれません。最近も、若手議員の未公開株購入を巡る金銭トラブルが報じられていましたが、皆さんが小・中学生のとき、1988年のリクルート事件が起きました。歴代の総理経験者を含め、官僚トップ、NTT会長らにリクルート関連会社の未公開株が渡されていたことが発覚。元官房長官が受託収賄で有罪となるなど、戦後最大規模の贈収賄事件となりました。

 子どもの頃に事件の報道が連日あったため、政治にあまり詳しくない30~40代と話をすると、「リクルート事件の影響で政治家は悪いことをしていると思うようになった」という感想をしばしば聞かされます。事件が“トラウマ”になっているのです。

 リクルートのような事件が報道されるたびに「政治とは汚いもの、けがらわしいもの」というイメージが若い世代に形成されてしまったことは本当に遺憾なことですが、しかし、政治家や官僚の悪い側面ばかりに目を向けて、自分と関わり合いのないことだと割り切ってしまうのはある種の思考停止です。

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鈴木 寛 [文部科学大臣補佐官、東京大学・慶応義塾大学教授]

すずき・かん/元文部科学副大臣、参議院議員。1964年生まれ。東京大学法学部卒業後、86年通産省入省。2001年参議院議員初当選(東京都)。民主党政権では文部科学副大臣を2期務めるなど、教育、医療、スポーツ・文化を中心に活動。党憲法調査会事務局長、参議院憲法審査会幹事などを歴任。13年7月の参院選で落選。同年11月、民主党離党。14年から国立・私立大の正規教員を兼任するクロス・アポイントメント第1号として東京大学、慶応義塾大学の教授に就任。同年、日本サッカー協会理事。15年2月から文部科学大臣補佐官として大学入試改革などを担当している。


鈴木寛「混沌社会を生き抜くためのインテリジェンス」

インテリジェンスとは「国家安全保障にとって重要な、ある種のインフォメーションから、要求、収集、分析というプロセスを経て生産され、政策決定者に提供されるプロダクト」と定義されています。いまの日本社会を漫然と過ごしていると、マスメディアから流される情報の濁流に流されていってしまいます。本連載では既存のマスメディアが流す論点とは違う、鈴木寛氏独自の視点で考察された情報をお届けします。

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