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モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫

「ライドシェア」は違法な白タク行為か?
上陸した自家用車相乗りビジネスの是非

佃 義夫 [佃モビリティ総研代表]
【第12回】 2015年8月28日
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 今やクルマもシェアする時代に
規制緩和も検討される「ライドシェア」

利用者がスマホのアプリで現在地を知らせるだけで近くにいるドライバーが自家用車で駆けつけてくれるライドシェア。新たな事業の成否は、規制緩和や信頼性などの課題クリアが第1関門だ

 「シェアする」――。若者世代の間では、この言葉が流行語になっている。最もポピュラーなのが、シェアハウスだ。今や、日本でもシェアハウス・ビジネスが盛況だと言う。

 家・住宅だけでなく、クルマも「ライドシェア(クルマの相乗り)ビジネス」が論議を呼んでいる。

 というのも、「提供者が所有するモノ・サービスを利用者が共有することにより成り立つ市場経済の仕組み」であるシェアリングエコノミーの1つとして、自家用車ライドシェアビジネスの機運が盛り上がり、そのための規制改革の動きが進んでいるのだ。

 これは、新経済連盟(三木谷浩史代表理事)が新たな経済成長の柱の1つとして「シェアリングエコノミー」を掲げ、自民党の規制改革推進委員会や経済好循環実現委員会、さらに政府の規制改革会議などに対して繰り返しその将来性や潜在需要を訴え、法的環境整備を働きかけているからだ。

 その背景には、米国発となるスマートフォンの配車サービスビジネスが日本に上陸したことがある。自家用車、すなわちマイカーを持つ一般ドライバーが契約ドライバーとして登録すれば、配車サービスのビジネスに加わることができるのだ。

 しかし、この自家用車ライドシェアは、日本で現行道路運送法に抵触する。いわゆる「白タク」行為となる(自家用車を使い、無許可でタクシー営業をする違法タクシーのこと。タクシーは緑地ナンバープレートなのに対し、自家用車は白地でタクシー営業することから、こう呼ばれる)。このため、政府の規制改革会議はこの自家用車ライドシェアの法的整備などを検討するよう、国土交通省に要請もしている。

 当然、既存のタクシー業界からは猛反発が出ている。「タクシーが壊滅することになる」(富田昌孝・全国ハイヤー・タクシー連合会会長)と、危機感を訴えている。

 シェアリングエコノミーは、より効率的な社会を目指すために非常に有効な消費モデルとして欧米で広がっている。限られた仲間の間で行ってきたモノの貸し借りや作業・サービスの分担を、広くネットワークの中で結びつけ、これを新しいビジネスとするものだ。

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佃 義夫[佃モビリティ総研代表]

つくだ・よしお/1970年、創刊86周年(2014年2月時点)の歴史を持つ自動車産業日刊専門紙『日刊自動車新聞社』入社、編集局に配属。自動車販売(新車・中古車)・整備担当を皮切りに、部品・物流分野を広域において担当した後、国土交通省・経済産業省など管轄官庁記者クラブ、経団連記者クラブ(自工会分室)と、自動車産業を総合的に網羅し、専任担当記者としてのキャリアを積む。その後、該当編集局内における各分野のデスク・論説担当編集局次長を経て、出版局長として自動車産業オピニオン誌『Mobi21』を創刊。以降、取締役編集局長・常務・専務・代表取締役社長を歴任。45年間の社歴全域で編集・出版全体を担当、同社の「主筆」も務める。日刊自動車新聞社を退任後、2014年に「佃モビリティ総研」を立ち上げ、同総研代表となる。


モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫

「自動車」から「モビリティ」の時代へ――。クルマ業界が変貌を遂げつつあるなか、しのぎを削る自動車各社。足もとで好調を続けるクルマ業界の将来性と課題とは、何だろうか。日本の自動車産業・クルマ社会をウオッチしてきた佃義夫が、これまでの経験を踏まえ、業界の今後の方向・日本のクルマ社会の行方・文化のありかたなどについて、幅広く掘り下げ提言していく。

「モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫」

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