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おもしろ県民性データブック

【兵庫県】県民性の“見本市”「なんでもあり」のおおらかさ

都道府県データ:Vol.35

岩中祥史 [出版プロデューサー]
【第35回】 2010年4月5日
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 日本には47の都道府県があるから、理屈のうえでは、それと同じ数の「県民性」が存在することになる。しかし、青森県や長野県のように、複数の県民性(「藩民性」と言ってもいい)が共存する県もあり、全部合わせるとおそらく60ほどに達するのではなかろうか。

 ただ、兵庫県のように、少なく見積もっても、5つもの気質があるなどという県はほかにない。これはひとえに、兵庫県の地理的な位置によっている。

 地図を見るとわかるが、この県の北端は、冬になれば雪が舞う日本海に面し、交通の便もあまりよくない。一方、県の南端は淡路島で、こちらは温暖な気候で知られる瀬戸内海に浮かび、古来海上交通の要でもあった。これだけ考えても、同じ気質が育まれるとは考えにくい。

 また、その間の、北部から中央部にかけては、経済的にはあまり恵まれない山間地帯である。その南側から瀬戸内海沿岸にかけては、平安朝の時代から開け、平清盛の時代には都も置かれた神戸だ。かと思うと、県の東部に暮らす人たちの感覚はほとんど大阪に近い。尼崎市など、電話の市外局番が大阪市と同じ「06」だが、そんな些細な事実にもそれが象徴されている。

ハイカラでおしゃれな神戸人と
庶民的な大阪人は水と油のような間柄!?

 つまり兵庫県は、県民性の“見本市”というか、私たち日本人が持つ、典型的な気質がほぼそろった特異な県なのだ。そして兵庫県人は、自分たちの県がそうした「なんでもあり」のエリアであることを、長い歴史のなかで十分に心得ている。全体としては鷹揚な人が多いから、さほど深刻に悩む必要はない。

 唯一気をつけたいのは、神戸を、同じ関西だからといって、大阪とひとくくりにして扱わないほうがいいという点だろうか。プロ野球の老舗球団「阪神タイガース」があるせいか、他地域の人は、大阪と神戸をつい同一視しがちだが、これはしばしば神戸人の気持ちを逆なでしてしまうようだ。

 ハイカラでおしゃれ、先進的な神戸人と、庶民的で格好をつけることを重要視しない大阪人は、やはり水と油のような間柄なのかもしれない。

◆兵庫県データ◆県庁所在地:神戸市/県知事:井戸敏三/人口:559万7513人(H22年)/面積:8396平方キロメートル/農業産出額:1431億円(H19年)/県の木:クスノキ/県の花:ノジギク/県の鳥:コウノトリ

データはすべて、記事発表当時のものです

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岩中祥史 [出版プロデューサー]

1950年、愛知県生まれ。東京大学文学部卒。出版社に勤務後、独立して編集企画会社エディットハウスを設立し、現在、代表。著書に、最新刊『日本を変える「名古屋脳」』(三五館)、『アナログ主義の情報術』(梧桐書院)、『出身県でわかる人の性格』『札幌学』、『博多学』、『名古屋学』(新潮文庫)などがある。各県の気質を調査した、現代県民性評論の第一人者。

 


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