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日本人が知らないリアル中国ビジネス 江口征男

おいしくても“人脈”がないと販売は無理?
日系企業が思うほど甘くない中国の「スイーツ市場」

江口征男 [智摩莱商務諮詞(上海)有限公司(GML上海)総経理]
【第18回】 2010年4月6日
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 ここ数年、「日本のスイーツを中国で売りたい」という話をよく聞く。もうすぐ5月から上海万博が始まるせいか、最近は特にそういう話が多い。

 日本から見ると、羨ましいくらいに高度成長を続ける中国。なかでも特に富裕層が多いと言われる上海は、絶好のターゲットに見える。確かに今、上海で売られているスイーツのなかには、日本人の感覚から考えて、お世辞でもおいしいといえるものは多くない。

 そういう状況を考えると、「日本のおいしいスイーツを中国に持ってくれば、売れるに違いない」と考える日系企業が多いのもうなずける。実際、日本の銀行や公的機関が主催し、中国各地で行なわれる日本物産展などに参加して、中国市場参入の機会を探る日系企業が日に日に増えているようだ。

高品質でおいしいのに、
なぜ日本のスイーツは売れない?

 しかし、現実の世界はそう甘くはない。日本のスイーツは、中国ではなかなか売れないのだ。それはなぜだろうか。今回は、なぜ日本のスイーツが中国では売れないのか、どうすれば売れるようになるのかについて、いくつかの視点から考えてみたい。

 スイーツに限った話ではないが、中国に進出を考える日系企業が最も気になるのが、「販路をどう開拓するか」だろう。

 いくら商品がよくても、集客力のある店舗で販売できなければ、売り上げは期待できない。よいか悪いかは別にして、最初から大規模な投資を行ない、自前で路面店を出して、ゼロから集客を行なうアプローチを取る日系企業は少ない。したがって、既存の大手流通小売店舗に、いかに自社の商品を置いてもらえるかが勝負といっても過言ではない。

 しかし、新規参入者である日系企業の場合、コンビニ、スーパーなどの有力小売チャネルと商談を持つことすら難しいのが現実だ。実際、上海の大手スーパーのバイヤーからは、「世界的に有名なブランドでない限り、新規プレイヤーとの取引きは年々難しくなっている」という話をよく聞く。

 しかも、集客力がある店舗の棚スペースは限られている。競合に勝ち、その棚に自社の商品を置いてもらうためには、表で入場料を払うだけでなく、裏でバイヤーなどに「袖の下」も払わなければならない場合がある。

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江口征男 [智摩莱商務諮詞(上海)有限公司(GML上海)総経理]

1970年、神奈川県横須賀市生まれ。横浜国立大学大学院工学研究科修了、Tuck School of Business at Dartmouth MBA。Booz & Company, Accentureなどの経営コンサルティング会社、子供服アパレル大手のナルミヤ・インターナショナルを経て、中国にて起業。上海外安伊企業管理諮詞有限公司(Y&E Consulting)、(株)MA PARTNERSの創業経営者でもある。
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世界経済の牽引役として注目を浴びる中国に進出する日本企業は、後を絶たない。だが、両国の間に横たわる「ビジネスの壁」は想像以上に厚い。今や「世界一シビアな経済大国」となった中国で日本企業が成功するためのノウハウを、現地コンサルタントが徹底指南する。

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