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社長! 御社は銀行からまだまだおカネを借りられますよ!
【第1回】 2015年9月11日
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村上浩

「ハズレ銀行マン」の対処法
中小企業のための銀行対策(1)

何事にもルーズで、いつまでたっても融資の回答をしない「ハズレ銀行マン」。彼らが御社担当になったとき、どのように身を守ればいいのでしょうか。銀行出身で、現在は中小企業の再生コンサルタントをしている村上浩氏によれば、「支店に乗り込んでもムダ」だそうです。とっておきの対処法を特別に公開しましょう。

時には会社をつぶす
「ハズレ銀行マン」の破壊力

決済日直前なのに、御社の融資案件を抱えている銀行マンが社内で遊んでいた……なんて、考えたくもないですね。

 金融機関の営業マンのことを渉外担当者と呼びます。金融機関によってさまざまですが、入行して1~2年程度は内部実務を経験し、その後に配属されるパターンが一般的です。そこで適性を見られ、ほかの業務(融資・国債・為替業務など)に担当替えされる者、そのまま渉外を担当する者に分けられます。概して渉外を担当する者は、ネアカで元気があり、機転が利く有能な人材です。

 ところが、どの金融機関にもいると思いますが、ごくまれにとても「有能」とは思えない渉外担当者「ハズレ銀行マン」に出会うことがあります。10年以上企業経営を続けている方なら、複数の金融機関と付き合っているでしょうから、一度くらいは会ったことがあるかもしれません。

 よくいるのは、何事にもルーズで約束を守らないタイプ。こんな人が御社担当になったら要注意。融資の申し込みをしても何ヵ月も放置され、頼んでいた仕事がまったく支店に伝わっていなかったなどの話は序の口。筆者が知っている企業のなかには、つなぎ資金の融資を1ヵ月半放置され、資金決済の前日になって「融資はできない」と通告されてしまい、あえなく倒産したケースもあります。思いあたる社長の方もたくさんいるのではないでしょうか。

 メガバンクでは数万人、地銀クラスでも数千人が銀行員として働いています。残念ながら、なかにはどうしてもこの手の人材が混じっています。彼らのことを行内では「人罪」などと揶揄しますが、顧客側にとっては笑いごとではなく、死活問題になりえます

社長・経理担当者は必見!
担当替えの頼み方

 この「ハズレ銀行マン」を撃退した事例があるのでご紹介しましょう。筆者のクライアントであるA社からの融資打診に対し、メイン行の担当者B君は何度も回答期限オーバーを繰り返していました。ついに社長は「今日という今日は、もう絶対許さない。支店長が実情を知っているのか、直談判してくる! 前回だって、回答を待っていたら資金繰りアウトだった。メイン行だろうが何だろうが訴えてやる!」と堪忍袋の緒が切れてしまいました。

 ですが、この状態で銀行に乗り込んでも、まともに対応しないのは目に見えています。訴訟を起こすとなったら、支店が一丸となってB君やその上司をかばい、銀行の落ち度を隠そうとするのがオチなのです。

 そこで社長には、「銀行の得になる情報を教えてあげる」という体で支店長と話すようアドバイスしました。

 「支店長、実は私の友人から相談があったのだが、●●地区担当のB君、あまり評判よくないよ。友人のところで、運転資金の申し込みを支店長の所にしたらしいのだが、1ヵ月も放置されて結局やれないって返事をされたらしい。結論は仕方ないにしても、今回だけじゃないらしいんだ、時間にルーズで約束を守らないのは。結局他行で面倒を見てもらえたからよかったものの、下手をすれば倒産騒ぎだったと憤懣やる方ない口ぶりだった。顧問弁護士に相談するって言ってるから、そこまで思い詰めなくてもいいんじゃないか、と言っておいたんだが……。どうなんだろう、●●地区のほかの取引先からは、何も言って来ないのかねぇ」。

 渉外担当のB君、2日後には係替えが発令され、後任者との引き継ぎに現れたそうです。
『社長! 御社は銀行からまだまだおカネを借りられますよ!』より)

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村上浩(むらかみ・ひろし)

株式会社リンクス代表取締役。
1985年大学卒業後、足利銀行に20年間勤務。17年間、複数の本支店で融資、債権回収業務に携わる。回収業務では、ゼネコンを中心にバブル期に大量に貸し付けた資金を回収した。
2002年、足利銀行がデフォルトを起こす直前、取引先の再生支援を目的に新設された「企業支援部」に配属、様々な再生手法を学ぶ。当時の栃木県は、企業再生件数が東京都に次ぐ(日本)国内2位であり、県内の地方銀行2行のうち1行、信用金庫10行のうち5行が国有化・統合された。そのような特殊な環境下で、中小企業の再生業務の経験を積む。
足利銀行デフォルト後も融資実務に携わるが、取引先再生支援の判断を機械的なスコアで決めることに違和感を覚える。貸出額10億円未満の中小・零細企業も事業再生の機会を与えられるべきだとし、企業支援部時代の同僚と、再生コンサルタント集団「リンクス」を2006年に創業。クライアントの半分が「破たん懸念先」か「実質破たん先」のどちらかという過酷な環境の中、200社以上のうち150社の再生に成功。産経新聞、日本経済新聞(栃木版)などメディア掲載多数。


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