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バター不足常態化も?酪農政策改革の意外な副作用

週刊ダイヤモンド編集部
2015年9月14日
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北海道の酪農家が飼う乳牛は平均69頭と都府県の1.8倍。都府県の酪農家を保護する補給金制度は形骸化している Photo:Bloomberg/gettyimages

 安倍政権が重要視する農業の改革。コメの減反廃止、農協解体に次ぐ、第3の柱が明らかになった。

 それは、酪農政策の大転換である。50年ぶりに補給金制度を廃止するのだ。この制度は、価格競争力が高い北海道産の牛乳と、相対的に低い都府県産の牛乳が競合しないようにして、都府県の酪農家を保護するもの。補助金によって、北海道の酪農家を飲用乳向けからバターなど加工品向けの生産へ誘導することで、競争を回避する。

 政策大転換の狙いは、「都府県の酪農家だけを保護していては、日本全体の酪農が立ち行かなくなる。伸びるべき生産者が伸びる環境をつくる」(政府関係者)ことにある。

 制度廃止と引き換えに、生産者価格の下落時には、酪農家の所得を補填する“全国一律”的な仕組みが導入される予定だ。

 都府県の酪農家の弱体化につながる制度廃止には、反発が予想される。そのため、産業競争力会議などでの本格的な議論は来年夏の参院選後になりそうだ。

 これまで、補給金制度はどのように運用されてきたのか。

 制度の対象となるには、国が指定した団体に出荷する必要がある。北海道の酪農家の9割以上は道内唯一の指定団体であるホクレンに出荷しており、牛乳全体の84%が加工用へ向けられる。

 この枠組みで販売する酪農家の昨年度の手取りは補給金を含め1キロ当たり90円弱。一方で、ホクレンを通さずに飲用乳を出荷した場合の手取りはそれより約7円も高かった。道内の牛乳生産費は都府県より2割も安く価格競争力がある。輸送費を考慮しても、十分に首都圏市場で戦える。

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