ヤフーが嫌韓・嫌中ニュースを排除した事情日韓関係や日中関係の悪化と連動するようにして、多くのユーザーのPVを稼ぎ出しているのが「嫌韓中ニュース」だ。その内容にあらためて疑問が浮上している Photo by Chung Sung-Jun/gettyimages

 インターネット上で国民感情を煽ったり、韓国や中国とのあつれきを無用に深めたりするような「嫌韓」や「嫌中」のニュースを配信するメディアとは、ヤフーは今後付き合わない──。そんな“絶縁宣言”ともいえるような事態がついに発生した。

 ヤフーは9月3日、国内最大級の中国情報サイト「サーチナ」との提携契約を解除することを発表した。これまではヤフーニュースに掲載するための記事配信を定期的にサーチナから受けていたが、今後はそうしたコンテンツのやりとりは、一切なくなるという。

 ヤフーニュースといえば、月間約100億ページビュー(PV)を誇る国内最大の巨大なオンラインニュースサイトだ。そこに日々掲載されるニュース記事は、新聞社や雑誌社、オンラインメディアなど合計で約200社、300媒体との配信契約によって成り立っている。圧倒的なPV誘導力や、「配信手数料」をメディアに還元することで、ヤフーは豊富なコンテンツを束ねてきたわけだ。

 ではなぜ、10年以上にわたって共存共栄を築いてきたサーチナとの契約を解除したのか。

 事情を知る複数の関係者らは、「当初は中国ニュースや金融情報を提供していたが、最近になって嫌韓や嫌中のニュースが増えて問題になっていた」と明かす。