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高橋洋一の俗論を撃つ!

集団的自衛権の行使容認が日本を平和にする根拠

高橋洋一 [嘉悦大学教授]
【第129回】 2015年9月24日
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日本を平和にするのか
それとも戦争に巻き込むのか

安保関連法は、日本を戦争に巻き込むものなのか?

 先週、やっとのことで安保関連法が成立した。

 5月21日付けの本コラム(「集団的自衛権を行使しないのは国際的には非常識だ」)では、「集団的自衛権の行使容認は、戦争のリスクを増すのか減らすのか」がポイントと指摘した。

 まさに、安保関連法の目玉である集団的自衛権の限定行使が、日本を平和にするのか、戦争に巻き込まれる国とするのか、どちらなのかという点が、安保法の賛否を分けている。

 筆者は、「国際関係論では、集団的自衛権の方が戦争に巻き込まれず、防衛コストが安上がりになるということだ」と書いた。

 ただし、字数の関係で、その根拠を書かなかった。そこで今日のコラムでは、根拠を書きつつ、国会論戦を振り返っておこう。

 日本を平和にするのか、戦争に巻き込まれるのか、どちらになるかは将来の話なので、思い込みが色濃く出る。安保関連法の反対論者は、戦争に巻き込まれると決めつけている。自衛隊の海外活動が増えるので、戦争リスクは増すという単純な思い込みだ。日米同盟関係の強化によって、戦争を仕掛けられないという「抑止力」を無視している。戦争を仕掛けられないという場合を含めて考えれば、戦争リスクが単純に増えるとは言えない。

 そこでリスクを考える際に重要になってくるのが、過去の歴史だ。60年安保や92年PKO法の時にも、戦争に巻き込まれるという議論があった。ところが、実際の歴史では、戦争に巻き込まれることはなく、日米安保条約はしっかり抑止力を発揮して、日本を平和に保ってきた。

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高橋洋一[嘉悦大学教授]

1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問。2009年政策工房を設立し会長。2010年嘉悦大学教授。主要著書に『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、『さらば財務省』(講談社)など。

 


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