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ラグビーで日本が強豪8ヵ国に勝つことは、どれだけ「すごい」のか

相沢光一 [スポーツライター]
【第365回】 2015年9月29日
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 当コラムの読者とラグビー日本代表にお詫びをしなければならない。

 前回、筆者はラグビーW杯初戦で南アフリカと戦う日本代表を「負ける」と決めつけ、善戦できればその後の試合に希望が持てるという内容の記事を書いた。

 ところが、ご存じの通りラグビー日本代表は善戦どころか、南アフリカに勝つという偉業を成し遂げてしまったのだ。名将エディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)の指導を受けた日本代表が強くなったことは理解しているつもりだったが、まさか南アフリカに勝つとは思えなかった。ジョーンズHCの手腕や選手たちの努力と闘志をそこまで受け止めきれていなかったこと、その思い込みに基づいた予想を書いてしまったことを深く反省している。

すべてにおいて過去とは違った
ラグビー日本代表の戦いぶり

 そのコラムでは「これまでとは、ひと味違う戦いを見せてくれるのではないか」とも書いたが、今回の日本代表はすべてにおいて違う姿を見せた。過去のW杯での日本代表は、ここぞという時にノックオン、マイボールラインアウトで相手にボールを奪われることも少なくなかったし、モール・ラックなどの密集戦でも、いつの間にか相手ボールになっているというシーンばかりだった。

 相手が攻勢に出ると苦し紛れの反則を犯し、トライも簡単に奪われる。点差が離れるにつれ選手たちが戦意を失っていく姿は見ていてつらいものがあった。もちろん過去の日本代表選手たちも精一杯のプレーをしていたはずだ。が、強豪のプレッシャーがあまりにもきつく、思うようなプレーをさせてもらえなかったのだろう。

 ところが南アフリカ戦での日本代表は攻撃でも守備でも、そうしたミスはほとんど見られなかった。スクラムやモールでも負けていなかったし、逆に押し込んだこともあった。ジョーンズHCが課した猛練習でフィジカルやスキルが飛躍的に向上したこともあるだろうが、それ以上にメンタルが強くなったことも感じた。精神的に負けていなかったから、あんなプレーができたはずだ。

 ただ、そうはいっても話題になった最後のシーン、試合終了の80分が過ぎた時点で同点のペナルティゴールを選ばず、トライ狙いでスクラムを選択したときは不安で仕方がなかった。ラグビーではプレーが途切れないうちはノーサイドのホイッスルは吹かれないが、ノックオンなどのミスをしたり、ボールが相手に奪われた瞬間、試合は終わる。過去のW杯での日本代表のプレーが頭に刷り込まれているせいか、誰かがそんなミスをして終わるのではないかと思ったのだ。

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相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


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