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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

日中関係のギクシャクをなんとかしたい知日派団体の熱意

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第262回】 2015年10月2日
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 9月29日、上海で講演をした。日本に移住してから今年で30年。この30年間で、国際旅費は自己負担で、講演料がゼロの、国境を越えた講演ははじめての体験だった。いや、国境を越えたということを外しても、交通費自己負担で講演料がゼロの講演もこれまで体験したことはない。

 しかし、こんな講演会に、上海に赴任したばかりの片山和之総領事も岡田健一副総領事以下数人を連れて駆けつけてくれた。

 読者のみなさんはここまで非常識な、あるいはここまで魅力をもつその主催団体または組織にきっと関心をもつだろうと思う。この団体の名は「一期一会」だ。SNSのグループとして1年前の7月15日に結成された。その参加者の多くは上海在住者または上海出身者だ。しかし、メンバーの全員には、日本に留学した、または日系企業に勤めたことがある、という大きな共通点がある。

日中関係を何とかしたいと
多種多様な知日派が集まった

 日中関係がギクシャクしているのを見て、民間人として何とかならないのか、という気持ちでスタートしたのだ。民間の力で日中関係の改善と平和的共存、相互理解を促進する、というのが、その趣旨だ。旧来の組織型団体の問題点を知っている発起人たちはSNS時代のいまに合致したネットグループ型の団体という形を取った。

 会長の魏海波さんは27年前からの友人で、日本語学校を上海に最初に作った人間の一人だ。いまや大手法律事務所の共同経営者でもある。会のもう一人の主要人物は雪暁通さんという不動産会社の経営者だ。

 会の敷居もある程度設けた。それなりの実績を持たないと、入会できないということになっている。現在、100名以上にのぼる会員の職業を見ると、上場企業の経営者、テレビ局のキャスター、日本の多国籍企業の中国法人の副総裁、大手法律事務所の共同経営者、医者、大学教授、歌手、ジャーナリスト、デザイナーなど、多種多様そのものだ。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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