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日本株は、バブルではない
【第4回】 2015年10月2日
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藤野英人

藤野VS山本対談 後編
「不正に走る企業の意外な共通点」

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危ない企業の兆候は突然のIR担当や経理部長の辞任!守りながら攻める運用で高実績を上げる「ひふみ投信」のファンドマネージャーを務めるレオス・キャピタルワークスの藤野英人さんと、実業家&で人気ブロガーの山本一郎さんの対談は、後半に差し掛かってさらに白熱! 
不正に走る企業には意外な共通点があり、変化を見逃さなければその予兆を察知できるという点で、2人の意見がピタリと一致した。
危ない企業をいち早く見破るには、どんなポイントに注目すればいいのか?
(取材・構成/大西洋平 撮影/和田佳久)

某社の内情を記事にしてもらったら
猛烈な抗議、そして尾行が!?

藤野 ある雑誌のインタビューで東芝のことについて話したら、かなり多くの人たちが読んでくれたみたいで、フェイスブックを通じて僕のところにたくさんのメッセージが届いたんですよ。

 それで、目を通してみたら、「ウチの会社なんて、東芝よりももっとヒドイですよ!」なんて告発的な内容のものが十数社分も混じっていてビックリしました(笑)。

山本 そういった内部告発系の情報はまさに“玉石混交”で、適切なものなのかどうかの取捨選択が重要になってきますね。新聞報道でコナミが揉めた際も、現役社員や退職者から企業のガバナンスに関する確たる情報を握っていたからこそ、クレームはあっても記事そのものを差し替えるなどの圧力に屈することはありませんでした。

山本 一郎 1973年、東京都生まれ。著作家・ブロガー・投資家・経営者。96年、慶應義塾大学法学部政治学科卒。2000年、IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作を行うイレギュラーズアンドパートナーズ株式会社を設立。ベンチャービジネスの設立技術系企業の財務・資金調達など技術動向と金融市場に精通。著書に『情報革命バブルの崩壊』『「俺様国家」中国の大経済』(以上、文春新書)、『けなす技術』『投資情報のカラクリ』(以上、ソフトバンク クリエイティブ)など多数。

藤野 日経新聞の記事に関わる騒動のことですね。当初は「コナミ、ほころび始めた『上月王国』」という見出しだったのに、なぜか「コナミ、脱・家庭用ゲームへの急旋回」に変更されて。

 記事には人気クリエイターが退社したことや、他社に再就職したコナミOBのフェイスブックで「いいね」ボタンを押した複数の社員がいっせいに異動になったことなどが非常にリアルに書かれていただけに、ネット上でも大きな話題になりましたね。

編集 なお、タイトルはさらに変更されて「コナミ、カリスマ経営のほころび」となり、初回のものに若干ながらもトーンが戻っています。

山本 どんな会社でも、組織内部の問題というのは多かれ少なかれあって、企業文化や特徴、強みの裏返しになっているのも事実です。とりわけ、有力企業の場合は経営陣の個性からくる強力な企業風土に我慢しかねて退職する人たちは、なんだかんだで退職者同士のネットワークがあり、その会社の汚点の証拠を抱きかかえて燻り続けているのが実情です。いろんな会社の告発記事が出たとき、「あの記事の黒幕はお前だろう?」との連絡をいただくことがあるのですが、私自身のブログメディアでやるよりも新聞や週刊誌でやってもらったほうが良いと判断するものについては書いてくれと頼みますし、取材にも協力します。すべては証拠を揃えて調べ終わってから取材依頼をするわけですから、抗議をされても「それは事実でしょう。裁判でもしますか?」という話になるだけで、たいていはそれ以上の騒動にはならないのが通常です。ただし、誰かに尾行されることもあるみたいですけど(苦笑)。

 きっと、こういったケースっていっぱいあって、東芝みたいな事例がボコンと発覚しない限りは、引き続き隠されていくのでしょう。だけど、今回の問題が関係部署への徹底調査につながり、1つの“呼び水”となっていけば、少しずつ状況は改善されていくかもしれないという期待はあります。

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藤野英人(ふじの・ひでと)

レオス・キャピタルワークスCIO(最高運用責任者)
1966年、富山県生まれ。90年早稲田大学法学部を卒業。国内、外資系運用会社を経て2003年8月レオス・キャピタルワークスを創業、CIO(最高運用責任者)に就任(現任)。中小型・成長株の運用経験が長く、ファンドマネジャーとして豊富なキャリアを持つ。現在、運用している「ひふみ投信」は4年連続R&I優秀ファンド賞を受賞、さらに「ひふみ投信」「ひふみプラス」を合わせたひふみマザーファンドの運用総額は600億円を超えている(2015年6月現在)。ベンチャーキャピタリストであり、自身がファウンダーでもあるウォーターダイレクトを上場させ、現取締役。 また東証JPXアカデミーフェロー。明治大学商学部兼任講師。主な著書には『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)ほか多数。


日本株は、バブルではない

電子部品商社・黒田電気など数社の大株主として浮上したC&Iホールディングス。同社はかつて様々な上場企業に大株主としてコーポレートガバナンス(企業統治)の適正化を迫ったM&Aコンサルティング(通称“村上ファンド”)の村上世彰さんが株主で、その長女・村上絢(むらかみ・あや)さんがCEOを務めていることで「村上ファンドが再び動き出した」と話題になっている。
一方、「ひふみ投信」を運用するレオス・キャピタルワークスの藤野英人さんは今年導入された「コーポレートガバナンス・コード」、昨年導入された「スチュワードシップ・コード」、「伊藤レポート」という“新・三本の矢”が日本株に今後、劇的な変化をもたらすという。
今後日本株はどう変わるのか。有力な投資家は今何を考えて、どう動くのか――。藤野英人さんと村上絢さんという今最も注目される2人の投資家に語りあっていただいた。

「日本株は、バブルではない」

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