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日本株は、バブルではない
【第3回】 2015年9月30日
著者・コラム紹介バックナンバー
藤野英人

藤野VS山本対談 前編
「企業の不正はなぜなくならないのか?」

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「新・三本の矢」の下、大変革を遂げようとしていた日本企業にとって、東芝の不正会計はとんだ“冷や水”だった−−−。こう苦言を呈するのは、4年連続でR&I優秀ファンド賞を獲得中の「ひふみ投信」を運用するレオス・キャピタルワークスの藤野英人さん。一方、鋭い視点で隠された事実を探り出し、フェイスブックやツイッターなどのSNSで積極発信してつねに注目を浴びているのが実業家で人気ブロガーでもある山本一郎さんだ。いったい企業はどこでどう間違えて不正に走るのかについて、卓越した洞察力の2人が大いに熱弁を振るい合った。(取材・構成/大西洋平 撮影/和田佳久)

バブルとは日本株ではなく
“官製相場”の中国上海市場

藤野 僕が7月末に『日本株はバブルではない』というタイトルの著書を出版したら、その1ヵ月後から株価が急落したんです。もっとも、日本株には問題があったからではなく、中国の上海市場がバブルで、その影響を被っただけの話ですけど。

山本 一郎 1973年、東京都生まれ。 著作家・ブロガー・投資家・経営者。96年、慶應義塾大学法学部政治学科卒。2000年、IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作を行うイレギュラーズアンドパートナーズ株式会社を設立。ベンチャービジネスの設立技術系企業の財務・資金調達など技術動向と金融市場に精通。著書に『情報革命バブルの崩壊』『「俺様国家」中国の大経済』(以上、文春新書)、『けなす技術』『投資情報のカラクリ』(以上、ソフトバンク クリエイティブ)など多数。

山本 やっぱり、6月に中国の政府当局が売買停止措置に踏み切った段階で、これはマズイって感じでしたね。以来、香港にお金を置いて上海市場に投資していた海外の投資家たちはみんな逃げ出した。不動産にどんどんお金を注ぎ込んでいた人たちまで株に乗り換えてきていましたが、連中はみんなわかっているから、マズイと思ったら逃げ足が早い。

藤野 わずか1年のうちに、株価指数が2倍に化けちゃっていましたからね

山本 本来なら、あれはありえない話ですよ。国策による“官製相場”だったわけですから、そもそも長続きするはずがありませんよね。

藤野 確かにそうですね。中国株はバブルでしたが、日本株は、バブルではない。僕は今もそう主張したいです。

 先日の新刊の中で、アベノミクスが放った「新・三本の矢」が日本企業を変貌させるということを強く訴えました。

 「新・三本の矢」とは、
(1)機関投資家の行動規範を示したスチュワードシップコード、
(2)上場企業の行動規範を示したコーポレートガバナンスコード、
(3)外国人投資家も熱く注目する「伊藤レポート」です。

 特に「伊藤レポート」はアベノミクスの成長戦略の核心部分を担うものであって、その指針に従って上場企業と株式市場が変革を進めていくはずなのですが、個人投資家にはまだ意外と知られていません。

担当編集 この記事の読者のために捕捉しますと、「伊藤レポート」は経済産業省が公表したもので、一橋大学大学院商学研究科伊藤邦雄教授が座長となってまとめられたため、そう呼ばれています。

 正式名称は「持続的成長への競争力とインセンティブ〜企業と投資家の望ましい関係構築〜」で、その中でも指摘されているように、今後も日本企業が成長を遂げるためには、「持続的に資本効率を高めること」が重要だと藤野さんは訴えているわけですね。

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藤野英人(ふじの・ひでと)

レオス・キャピタルワークスCIO(最高運用責任者)
1966年、富山県生まれ。90年早稲田大学法学部を卒業。国内、外資系運用会社を経て2003年8月レオス・キャピタルワークスを創業、CIO(最高運用責任者)に就任(現任)。中小型・成長株の運用経験が長く、ファンドマネジャーとして豊富なキャリアを持つ。現在、運用している「ひふみ投信」は4年連続R&I優秀ファンド賞を受賞、さらに「ひふみ投信」「ひふみプラス」を合わせたひふみマザーファンドの運用総額は600億円を超えている(2015年6月現在)。ベンチャーキャピタリストであり、自身がファウンダーでもあるウォーターダイレクトを上場させ、現取締役。 また東証JPXアカデミーフェロー。明治大学商学部兼任講師。主な著書には『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)ほか多数。


日本株は、バブルではない

電子部品商社・黒田電気など数社の大株主として浮上したC&Iホールディングス。同社はかつて様々な上場企業に大株主としてコーポレートガバナンス(企業統治)の適正化を迫ったM&Aコンサルティング(通称“村上ファンド”)の村上世彰さんが株主で、その長女・村上絢(むらかみ・あや)さんがCEOを務めていることで「村上ファンドが再び動き出した」と話題になっている。
一方、「ひふみ投信」を運用するレオス・キャピタルワークスの藤野英人さんは今年導入された「コーポレートガバナンス・コード」、昨年導入された「スチュワードシップ・コード」、「伊藤レポート」という“新・三本の矢”が日本株に今後、劇的な変化をもたらすという。
今後日本株はどう変わるのか。有力な投資家は今何を考えて、どう動くのか――。藤野英人さんと村上絢さんという今最も注目される2人の投資家に語りあっていただいた。

「日本株は、バブルではない」

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