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“20億ドルの女”ジェシカ・アルバが挑む
ネットビジネスの創意工夫

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第361回】 2015年10月1日
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ハリウッド女優ジェシカ・アルバが立ち上げた、ベビー用品ECサイト「オーネスト・カンパニー」 https://www.honest.com/

 20億ドルのビジネスをゼロから立ち上げた女優。最近、こう称されているのは、ジェシカ・アルバである。

 アルバは、『ファンタスティック・フォー』という人気SF映画シリーズに登場する、元気でセクシーな役柄で知られてきたハリウッド女優だ。その彼女が2011年に共同創設したオーネスト・カンパニーが、年商1億5000万ドル(2014年)を上げ、企業評価価値が今や20億ドルにも達しようとしているのである。

徹底した自然志向

 オーネスト・カンパニーは、ベビー用品を中心としたショップで、おむつ、子供用の石けん、ミルクなどの製品を売る。オンラインが中心だが、一部の小売店にも商品を卸している。

 創設数年にしてこれだけの売り上げを出すようになったのは、現代にアピールする同社の性質があるだろう。

 まず、有害物質をいっさい使わない安全な商品というコンセプトがある。「オーネスト(正直)」という会社名も、それに関係したものだ。そこにはアルバ自身のストーリーがあって、「妊娠中に母親に勧められて使った石けんで、全身アレルギーになった」とか、「赤ん坊に発疹が出た」などの経験からビジネスを起こしたという事実が共感を生んでいるようだ。

 確かに、商品には万全の注意を払い、おしめにはオーガニック・コットンを利用、粉ミルクもオーガニック材料で作り、それでいて使いやすく、デザインは愛らしい。恵まれた時代に育ち、要求の高い現代の母親にも、十分満足できるものというレベルに達している。

 商品以外の会社のイメージも、売り上げを押し上げるのにつながっている。

 たとえば、安全な洗剤を利用した清掃の方法を全米の業者にトレーニングしたり、女の子のプログラミング教育をサポートしたり、といったこと。営利活動と、こうした社会貢献活動をほぼ同等のバランスでアピールするところが、これもまさに現代的だろう。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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