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カリスマ的人気を誇るチェーンストア
米トレーダー・ジョーズの秘密

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第91回】 2010年4月21日
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 安いけれど、楽しくておしゃれ。

 ファッションであれ、家庭製品であれ、デパートであれ、これが最近アメリカの消費者に受けている店のイメージだ。そして、食品スーパーでこの路線を行っているのが、トレーダー・ジョーズというチェーンストアである。

 トレーダー・ジョーズは、カリフォルニアを中心に全米に350店舗近いネットワークを持つ。普通のスーパーと違うのは、まさにその名称「貿易商ジョー」が示すところだ。

 トレーダー・ジョーズに入ってまず気づくのは、全国ブランドと呼ばれる大手メーカーの商品がほとんどないことである。洗剤しかり、パッケージ食品しかり。

 貿易商ジョーは、世界の各地へ出かけて行って、ユニークなグルメ食品を仕入れ、それを格安の価格で店に並べるというのがイメージ。したがって、大手メーカーの流通網に飲み込まれたような自動的な品揃えをするのではなく、トレーダー・ジョーズならではの品選びが、自慢なのである。

 たとえば、洗剤は地方の小さなオーガニック洗剤メーカーのものが、何種類も並んでいたりする。食品は、8割以上がトレーダー・ジョーズのプライベート・ブランドもので、全国ブランドものより40%前後安い。

 そのプライベート・ブランド食品がまたユニークで、中にはポテトチップスやクッキーなど、全国ブランドと似たような商品もあるが、トレーダー・ジョーズ自身が発案した商品は、なかなか人気が高い。たとえば、ベジタリアンのための冷凍野菜餃子や、ザクロのドライフルーツを一粒ずつ包んだチョコレート。こうした大手のスーパーではなかなか手に入らないユニークなものが、ここでは格安で買えるというわけだ。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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