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厚労省関連の仕分けで勝ち取った
PMDAの拡大方針は奏功するか

週刊ダイヤモンド編集部
2010年4月30日
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 「必殺仕分け人の蓮舫参議院議員もニコニコしているし、第一弾ほど面白くない」と傍聴者からは不評も漏れる、行政刷新会議の事業仕分け第二弾。本来は、公開の場で外部の視点も入れながら、独立行政法人が行う事業について要否等を議論することだが、 “面白い”か否かが評価基準になっている点からして「政治ショー」化していることが伺える。

 4月27日、厚生労働省関連の目玉である2つの組織は、その仕分け結果で明暗を分けた。

 「明」を勝ち取ったのは、医薬品と医療機器の安全性・有効性を審査する医薬品医療機器総合機構(PMDA)だ。PMDAは、医薬品等の審査の加えて安全対策、薬害被害の救済給付という主に3つの業務を担っている。22日に厚労省内で先行して実施された“省内仕分け”では「3事業を分離することは可能か」という足立信也政務官の質問に対して、近藤達也理事長は「医薬品をつくって、安全性をフォローして、副作用があれば救済する。日本独自のセイフティー・トライアングルは誇るべき体制だ」と反論する場面があった。

 しかし、“本番”となる行政刷新会議の仕分けでは、3事業とも引き続き手がけ、特に審査業務と安全対策は規模を拡充すべきとの前向きな結論が示された。内部では「胸をなでおろしている」(関係者)模様だ。この規模拡充の方針は、海外で使われる新薬が日本で使えるまでに時間差が生じる「ドラッグ・ラグ」解消のため、審査の迅速化を狙ったもので、数多い仕分け対象法人のなかでも“異例”の判定と言えるだろう。

 一方、「暗」に陥ったのは、医薬基盤研究所である。同研究所は5年前に設立され、国内で新薬を創出するための開発支援を行っている。今回の仕分けでは、大学の基礎研究や、患者数が少ない病気の医薬品の開発への助成事業は国に移管し、医薬品の開発などに用いられる細胞など生物資源の研究は規模を縮小すること、不要資産25億円は国庫に返納することなどが求められた。

 ただし、PMDAも手放しで喜んでいられる状況ではない。

 仕分けで示された拡充方針に則って、医薬品の有効性や安全性を真に評価できる有能な人材を登用するにしても、医薬品メーカーとは人材の行き来に自由度がないため、経験者を大量採用できない。

 また「根本的な構造課題は、仕分け作業ではなんら解決されていない」(東京大学大学院の小野俊介准教授)。

 PMDAの一番の問題は、管掌する厚労省の恣意性によって審査期間や結論が左右されてきたことだ。こうした歪みは、部長以上の幹部で7割強、一般職で2割を厚労省からの出向者が占め、中途採用組を含むプロパー職員には出世の道が閉ざされた現状の閉鎖的組織から生まれた。これの解決は単なる規模拡充ではなされない。政治ショーの勢いで決まった「拡張」が単なる肥大化で終わらぬよう、今後は厚労省との関係を含めた組織構造について、政策論として腰を据えた議論が必要である。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 柴田むつみ)

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