東京でガン、心筋梗塞、
白内障、白血病が激増する!

国道6号・常磐道を走るクルマが、<br />東京に“死の灰”を運んでいる!?<br />――木内みどり×広瀬隆対談【中篇】

木内 そうだったのですね。おかげで、とっても読みやすかったです。
 スゴイ事実が書かれていますけど。東京でも放射能の影響が出ているのですね。

広瀬 結論を言うと、東京を含む東日本地域住民の中で、これからガンや心筋梗塞などが必ず激増します。いやもう、その段階に入っています

木内 放射能の影響というと、甲状腺ガンに代表されるガンの話になりがちですが、心筋梗塞も増えているんですか?

広瀬 セシウムは、ナトリウム系列の元素で、体に吸収されやすいという特徴があります。筋肉にたまりやすいので、絶えず筋肉が動いている心臓にたまります。

 心筋梗塞はすでに福島ではかなり増えています。ときどき福島から「また若い人が心筋梗塞で死んだ」という電話がかかってきます。
 そのたびに暗澹たる思いになります。また、放射性セシウムが角膜に付着すると微量でも、3~5年ぐらいから白内障が出始めます。子どもたちの目が混濁してきて見えなくなり、最悪の場合、失明をします。

木内 フクシマ原発事故のとき、東京にも放射性物質が飛んできたんですよね。

広瀬 福島から首都圏の千葉・東京に至るまでの太平洋側は、途中にまったく山がないので、事故後、4月になっても5月になっても、東京の新宿高層ビル街には、南下した高濃度の放射能雲が直撃し続けました。

 そのとき都内の人の多くは、ごく普通の生活をしていました。通勤・通学していたり、外で遊んでいたり。そのときに放射性物質を吸い込んでしまったのです。これは時限爆弾ですから、時間とともに身体を蝕んでいくでしょう。

木内国道6号線と常磐自動車道を通る自動車が、東京に放射性物質を運んだという話も聞きました。

広瀬自動車の群と、東北新幹線が、タイヤと車体によって広範囲に「死の灰」を拡散しています。今でもです。
 一番怖いのはプルトニウムや、ストロンチウムのような「ホットパーティクル」です。ホットというのは「エネルギーが大きい」という意味です。

 プルトニウムを吸いこんでしまうと、気管支や肺にへばりついて、同じ場所に放射線を浴びせ続けるという結果になります。一度、肺に入って付着したホット・パーティクルが、体の外に出ることは、まずありません。

 ストロンチウムやプルトニウムのような物質は、「遠くに飛ばない。おそらく敷地内にたまっている」なんて話をする学者もいますが、まったくのデタラメです。

 微粒子となったガスなので、空気に乗って遠くまで運ばれますし、細胞を直撃するアルファ線やベータ線を発する放射性物質です。アメリカで検出されているのだから、プルトニウムは重いから遠くに飛ばないなんていう話には、根拠がありません。
 セシウムは「測定できる」から騒いだけれど、ストロンチウムやプルトニウムは「簡単に測定できない」から、話題にならなかっただけです。
 2011年3月の連続爆発でまき散らされたのは、ガス状のあらゆる放射性物質です。さまざまな「時限爆弾」が体をむしばんでいることは間違いありません。

東京都文京区にある順天堂病院では、2011年に比べて、2013年のあらゆる疾患が2倍から10倍近くに増えています

この事実は、重いです。来年から、「時限爆弾」はいよいよです。

(つづく)