急成長を遂げている中国ECビジネス。2013年には「17兆円市場」にまで拡大し、日本を追い抜くといわれている。ダイヤモンド社はさる4月22日、中国進出支援サービスを展開するターゲットメディア株式会社と共同で『中国ECビジネス 本格進出のための実践セミナー』を開催。巨大な潜在性を有する中国EC市場に本格的な進出を検討する企業を対象に、各分野の専門家に中国現地のEC事業者やグローバル企業と伍して戦っていくための実践的な戦略・セオリーと最新事例を解説してもらった。

■現地販売会社との効果的な業務提携が成功への近道
森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士 江口拓哉氏

 中国のECビジネスには、(1)自社サイトを利用して自社製品をネット販売する「自社サイト型」(2)他社ECモールを利用して自社製品をネット販売する「他社サイト型」(3)自らECモールを開設して、他社のネット販売をサポートする「モール運営型」の3つがあります。それぞれに必要とされる許認可や参入障壁の高さは異なります。結論から言えば、参入難度が低いのは(2)(1)(3)の順です。外資系企業が(3)に参入するのは容易ではありません。

江口拓哉氏 1995年より中国業務に従事し、1998年から2001年まで北京に常駐。米国留学後、2004年から東京を中心に日本企業の中国及び東南アジア投資・M&A案件に従事。

 中国でのECビジネスを選択する際には、『ICP許可証』(付加価値電信業務経営許可証)が必要なビジネスモデルかどうかが重要なポイントとなります。この許可証は、中国の電信条例が規定する「インターネットを利用して収益を得る行為」に必要とされるものです。単に自社や自社製品の紹介(広告)のためにウェブサイトを運営するのであれば、ICP許可証はいりません。しかし、サイトを通じて直接製品を販売する場合は必要とされるケースがほとんど。とくにネット決済を行なっている場合は、間違いなく許可証が必要とみなされます。

 法律上は、内資(中国資本)50%以上の企業であればICP許可証が得られるはずなのですが、実際のところ、外国企業が出資する外国投資会社にICP許可証が下りるケースは、グーグルなど一部の例外を除いてほとんどありません。

 「自社サイト型」の場合、法律上はICP許可証が必要になると考えられます。しかし上海市通信管理局など一部の地方管轄部門は、ICP許可証は不要との見解を示しています。サイトの利用によって収益を上げるオンラインゲームなどのコンテンツビジネスとは異なり、製品代金のみを受領しているから、という解釈によるものです。ただし、工商行政管理局(法務局に相当)が交付する営業許可証の経営範囲に「電子商務」(ECビジネス)が含まれていることが条件であり、外国投資会社がこの条件に当てはまることは非常に稀です。

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