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モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫

岐路に立つ東京モーターショーが
「中身」で勝負するためには

佃 義夫 [佃モビリティ総研代表]
【第16回】 2015年10月23日
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米国勢不参加に中国勢の台頭
岐路に立つ東京モーターショー

今年も開催される自動車の祭典・東京モーターショー。今後、どのように存在感を示すべきか

 「第44回東京モーターショー2015」が、10月29日から11月8日までの11日間(一般公開は10月30日から)、東京・有明の東京ビッグサイトで開催される。

 言うまでもなく「東京モーターショー」は、クルマの祭典として日本のモータリゼーションの発展と深く関わりながら、自動車市場とクルマ社会の形成を促進してきた。また一方で、日本の自動車産業が世界に飛躍する日本車のモノづくり、とりわけその技術力を発信する場として、大きな位置づけにあった。

 そのゆえんは、米デトロイトモーターショー、独フランクフルトモーターショー、仏パリモーターショー(パリサロン)、スイス・ジュネーブモーターショーと共に、世界の5大モーターショーとされてきたからだ。しかし、近年では国際モーターショーの位置づけが変わりつつある。

 世界の自動車市場の流れを見ると、最大の自動車市場は中国であり、市場の伸びを示しているのは新興国市場だ。必然的に、世界の自動車メーカーの出展意欲は、新興国のモーターショーへと移ってきた。来客動員数においても、かつては東京モーターショーが最も多かったが、すでに中国の北京モーターショーや上海モーターショーの動員数が優ってきている。

 10月29日から開催される東京モーターショー2015の主催者である日本自動車工業会の池史彦会長は、「世界一のテクノロジーモーターショーとすべく、クルマの新しい価値を提供する日本のモノづくりのショーケースとしたい」と語った。今回のショーのテーマは「きっと、あなたのココロが走り出す」とされ、世界11ヵ国から160社の乗用車、商用車、二輪車、カロッツェリア、車体、部品・機械器具、自動車関連サービス企業が参加して、盛り上がりが期待される。

 東京モーターショーは、自工会の前身団体が主催となった「第1回全日本自動車ショウ」(1954年)から60周年を数え、1つの節目を迎えた。「クルマの祭典」から世界に発信するモーターショーへの脱皮を図るといった、様々な模索が行われ始めた今、「東京モーターショー」の在り方と今後の方向性について、改めて考察する。

 「モーターショー」という言葉の響きから我々が感じ取る印象は、何と言っても「クルマの祭典」というものであろう。自工会の前身団体などによって開催された第1回から数えて60周年を迎えて、今回の東京モーターショー2015を主催する池自工会会長も、「最新テクノロジーとの心躍る出会いと感動をお届けしたい」と、東京モーターショーの役割りを自動車ファンに向けて強調する。

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佃 義夫[佃モビリティ総研代表]

つくだ・よしお/1970年、創刊86周年(2014年2月時点)の歴史を持つ自動車産業日刊専門紙『日刊自動車新聞社』入社、編集局に配属。自動車販売(新車・中古車)・整備担当を皮切りに、部品・物流分野を広域において担当した後、国土交通省・経済産業省など管轄官庁記者クラブ、経団連記者クラブ(自工会分室)と、自動車産業を総合的に網羅し、専任担当記者としてのキャリアを積む。その後、該当編集局内における各分野のデスク・論説担当編集局次長を経て、出版局長として自動車産業オピニオン誌『Mobi21』を創刊。以降、取締役編集局長・常務・専務・代表取締役社長を歴任。45年間の社歴全域で編集・出版全体を担当、同社の「主筆」も務める。日刊自動車新聞社を退任後、2014年に「佃モビリティ総研」を立ち上げ、同総研代表となる。


モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫

「自動車」から「モビリティ」の時代へ――。クルマ業界が変貌を遂げつつあるなか、しのぎを削る自動車各社。足もとで好調を続けるクルマ業界の将来性と課題とは、何だろうか。日本の自動車産業・クルマ社会をウオッチしてきた佃義夫が、これまでの経験を踏まえ、業界の今後の方向・日本のクルマ社会の行方・文化のありかたなどについて、幅広く掘り下げ提言していく。

「モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫」

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