過激な論調で知られる韓国メディア。その特派員経験者たちに、反日報道の裏側から特派員生活の実態まで、全て本音でぶちまけてもらい、「週刊ダイヤモンド」が再構成した。
──反日報道が生まれる裏側を教えてください。
A記者 まず、最初に断っておきたいのですが、われわれ特派員は、反日報道がしたくて東京に来たわけじゃありません。結果的に反日記事が多くなっているんです。
B記者 私の場合は、毎朝、3~4本のネタをソウルの上司に報告するんですが、結局、会議で通るのは反日モノばかり。日本に対して好意的な内容はほとんど採用されません。デスクが見出しを過激に変えることもしばしば。だから読者の目に触れる記事はどうしても反日的なものが多くなるんです。
C記者 デスクは日本についてあまり知らない人が多いよね。大手紙国際部の“本流”は米国や中国。米中の特派員経験者が出世する。だから日本への理解が浅いったらない。反日教育の延長線上でしか事象を切り取れないから、しきりに反日記事を求めてくる。現場も抵抗しろよと言われるかもしれないけど、韓国で上司に逆らうなんてあり得ないこと。泣く泣く反日ネタを探さざるを得ない。
週刊誌に走ったきっかけは
小沢一郎の離縁状ネタ
A記者 われわれの仕事って、「日本の○○新聞によると~」みたいに、日本の報道を引用する記事が半分くらいです。朝起きたらすぐに日本の大手新聞をチェックして、めぼしい記事を探します。本社からの要求がエスカレートして、週刊誌ネタにまで手を伸ばすようになった時期がありました。
D記者 ありましたね。2012年に「週刊文春」が書いた、「小沢一郎が奥さんから離縁状を突き付けられた」って記事が最初だった。確か、「朝鮮日報」が「小沢一郎氏、夫人の暴露で窮地」みたいなトーンで書いたような……。
C記者 そうそう。あれ以降、「あ、週刊誌ネタもありなんだ」ってなって、雑誌もチェックしないといけなくなった。
E記者 結局、皆が疲弊しちゃった。13年の春に特派員同士で談合(!)して、「もう、週刊誌ネタを追うのはやめよう」って。あれがなかったら今ごろ倒れてた(笑)。
B記者 でも、今度はインターネットメディアでの反日報道が増えてしまった……。
C記者 うん。あれも厄介。8月に、韓国のネットニュースが書いた「産経新聞」のコラムに対する反論記事が韓国国内で話題になったでしょ。無視していたら、ネットニュースを見たデスクから「批判記事を書かないの」って催促された。どれだけ反日記事を書かせたいんだよって、もはやあきれ果てたよ。