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3D時代への大投資で、日本は勝ち残れるか?
薄型テレビ市場で始まった“関ヶ原の戦い”

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第124回】 2010年5月11日
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 将来において、世界の家電市場の勢力図を決める大きな動きが、現在静かに、しかも熾烈に進んでいる。それは、有力メーカー同士による「薄型テレビ」を巡る競争の激化だ。

 薄型テレビは、家電メーカー各社にとって、収益を稼ぎ出せるドル箱であると同時に、次世代の“ 夢の商品”と言われる「3Dテレビ」につながる重要な戦略商品なのである。

 薄型テレビは、もともとわが国メーカーが先行していたが、その後の韓国企業などによる急激な追い上げによって、シェアを徐々に奪われている分野だ。2009年の世界の出荷額のシェアを見ると、すでに韓国のサムスンが断然トップ(世界シェア23.3%)、LG電子(同12.4%)がナンバー2の地位にある。

 それに対して、わが国企業はソニーがLG電子と並んで2位、4位パナソニック(8.5%)、5位シャープ(6.3%)、6位東芝(4.7%)と続く。

 今年は南アフリカでサッカーのワールドカップもあり、新興国を中心に需要は拡大すると見られる。そのため、有力各社とも薄型テレビの出荷には、かなり強気の計画を立てている。ソニーやパナソニックなどのわが国メーカーも、前年対比50%増の計画という。

 当然、韓国メーカーも負けじと増産を計画しており、世界的な薄型テレビの競争は一段と激化することが予想される。

 問題は、その競争のなかで誰がドロップアウトし、誰が勝者になるかだ。“夢の商品”=「3Dテレビ」とのつながりを考えると、この競争に勝てた者が、世界の家電業界のチャンピオンになる可能性は高い。

 わが国メーカーも、生き残りをかけて、薄型テレビのシェア争いに参戦することになる。今後、凄まじいばかりの激戦が繰り広げられることは、間違いないだろう。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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