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オヤジの幸福論

株式と債券の運用:ロジカルに考える!

後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 主任研究員]
【第46回】 2016年2月5日
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 前回は、確定拠出年金(以下、DC)の運用におけるコアとなる債券と株式について、配分比率の決め方や役割についてお話ししました。配分比率を決めるといってもいきなりは難しいので、まずはバランス型の投資信託の配分比率を真似てみるのが手っ取り早い方法になります。また、株式は資産成長の原動力(エンジン)、債券は安定装置(スタビライザー)といった役割を持たせたうえで、この役割に沿って運用していくことも大切なのです。例えば、高いリターン欲しさから安定装置の債券の中でハイイールド債券などのハイリスク・ハイリターンの資産に投資すると、ポートフォリオ全体が想定よりも高いリスクにさらされてしまうので注意が必要です。

 今回はこの役割を意識したうえで、どのように株式や債券に投資を行うべきかについてお話しします。

“イメージしやすいから日本株式中心”は正しいのか

 一般的に「初心者はイメージしやすい国内資産を中心に投資すべき」とアドバイスされることが多いように思いますが、私はこのアドバイスは間違っていると思います。理由はシンプルで、日本株式と外国株式を比べたときに、日本株式のリスクが大きいからです。長期(*1)で見ると外国株式(含む日本、円建て)のリスク(年率標準偏差。以下同じ)が約17%であるのに対して、日本株式のリスクは約20%にもなります。新興国はリスクが高いと思われがちですが、新興国を含む外国株式で見ても、リスクは約18%と日本株式より低くなっています。またリターン面で見ても、日本株式はやはり劣勢です。アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB(*2)」)の推計モデルによると、向こう3年の日本株式の予想リターンは5.7%であるのに対して、外国株式は6.5%となっています。つまり、日本株式に多く投資をすることは、より高いリスクでより低いリターンを狙うことになり、投資が非効率になりやすいのです。

*1 ここでは、1988年1月から2015年7月までの期間で算出。日本株式はTOPIX(東証株価指数)、外国株式(含む日本、円建て)はMSCIワールド指数、新興国を含む外国株式はMSCIオールカントリー・ワールド指数、日本債券は野村BPI、外国債券(含む日本、円ヘッジ)はシティ世界国債指数(含む日本、円ヘッジ)。
出所:イボットソン・アソシエイツ

*2 アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。

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後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 主任研究員]

慶應義塾大学理工学部 非常勤講師。1997年慶應義塾大学理工学部管理工学科卒業。97年株式会社富士銀行(現 株式会社みずほ銀行)にて、法人向け融資業務に従事。2000年みずほ総合研究所に勤務し、主として企業年金向けの資産運用/年金制度設計コンサルティングに従事。06年一橋大学大学院国際企業戦略研究科にてMBA取得。同年4月アライアンス・バーンスタイン株式会社に入社。共著書に「企業年金の資産運用ハンドブック」(日本法令 2000年)、「年金基金の資産運用-最新の手法と課題のガイドブック-」(東洋経済新報社 2004年)などがある。

 


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