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オヤジの幸福論

確定拠出年金のStarting Over

後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 所長]
【第44回】 2015年11月18日
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 私は資産運用のプロ、そして確定拠出年金(以下、DC)のプロとして、時折、企業で投資教育を実施しています。そこでは分散、長期、積立といった運用の基本原則はもちろん、個人が老後資金をつくるうえで大事な人的資本を考慮したライフサイクル投資についても必ず触れます。一通り説明した後、私のところにきて質問する方の多くが「うちの会社のラインナップの中で何に投資をすればいいですか?」と聞いてきます。一見、この質問はとても自然なように思えますが、私がこの連載で話している内容からすると、極めて奇妙な質問なのです。なぜなら、商品選択は資産運用の意思決定の一番最後の問題であり、より大事なのは「目標はどうするのか?」「自分が活用すべき資産は何か?」、そして「その目標を達成するのに必要な資産配分は何か?」なのです。

 そこで今回からは、幸か不幸かDCで運用することになった方々が、運用を見直して再出発(Starting Over)できるような実践的なアドバイスをしていく予定です。今回はまず目標をどう設定するかについて説明します。

目標の設定までの3ステップ

 皆さんの会社のDCプランでは目標リターン(もしくは想定利回り)と言うものが設定されていますか? もし設定されているなら、そのDCプランは他の退職金・年金制度から移行されたものになります。目標リターンはその移行前の制度と同じ水準となるために必要なリターンのことで、平均してこのリターンを退職までに獲得しないと、以前の制度よりも退職金・年金総額が少なくなってしまうことを意味します。

 今、目標リターンの平均は2%くらいですが、どのくらいの人が2%のリターンを達成できているでしょうか? 残念ながら多くの人が達成できていません。今のようにアベノミクスで資産運用にとって非常に良い環境であっても、45%近くの人が2%のリターンを達成することができていないのです(出所:年金情報 2015年6月1日号)。まずは、この目標リターンを達成できるような運用を考えてみることが第1ステップになります。

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後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 所長]

慶應義塾大学理工学部 非常勤講師。1997年慶應義塾大学理工学部管理工学科卒業。97年株式会社富士銀行(現 株式会社みずほ銀行)にて、法人向け融資業務に従事。2000年みずほ総合研究所に勤務し、主として企業年金向けの資産運用/年金制度設計コンサルティングに従事。06年一橋大学大学院国際企業戦略研究科にてMBA取得。同年4月アライアンス・バーンスタイン株式会社に入社。共著書に「企業年金の資産運用ハンドブック」(日本法令 2000年)、「年金基金の資産運用-最新の手法と課題のガイドブック-」(東洋経済新報社 2004年)などがある。

 


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年金支給が70歳支給になるかもしれない。公的年金ばかりか企業年金も怪しくなっている。銀行の金利も微々たるもの。平均寿命が延びるほどに老後が不安になってくる。自分で自分を守るためにどうしたらいいのか。オヤジの幸福のために自分年金について教えます。

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