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IT界の熱きリーダーが山形の廃校に集結!
「熱中小学校」のユニークな授業の数々

大河原克行
【第105回】 2015年11月20日
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ソラコムや内田洋行などが共同で実証実験を行っている次世代百葉箱。中にセンサーが入り、上部にはカメラがついている

 一方で、熱中小学校では、大人を対象にした社会学習以外にも、いくつかの取り組みを行っている。

 ひとつは地域住民向けた自由利用空間としての開放だ。

 山形大学工学部の支援により、かつての理科室を使って、3Dプリンタやレーザーカッターを設置。これらを利用できたり、理科ファブ講習会の名称で、3Dプリンタのためのプリントデータの作り方や、装置の使い方を学ぶことができる。

 また、高畠町移住相談室やシェアオフィスの設置のほか、セミナールーム、音楽室なども活用できるようにしている。

 もうひとつは、サテライトオフィスとしての活用だ。

 かつての教室を使って、サテライトオフィスを設置。現在、ソラコム、オフィスコロボックル、デジタルデザイン、森の学校、360°が入居しており、各社がそれぞれに、ネットワークカメラを活用した監視・見守りシステムの運用や、会議室予約システムの実験、さらにはSIMを活用した新たな通信インフラを活用した次世代百葉箱の実験などを行っている。

授業が終わった後も先生と生徒が談笑しながら情報交換を行う場面も。一番右が校長を務めるスペースマーケットの重松大輔社長

 また、オフィスコロボックルとデジタルデザインでは、総務省のふるさとサテライト実証実験に参画。オフィスコロボックルでは、代表の堀田氏が、社外取締役や非常勤監査役を務めている企業の取締役会および監査役会に、このサテライトオフィスから、テレビ会議システムを用いて参加している。

 さらに、今後は、熱中小学校の活動を、高畠町以外にも広げることにも取り組む考えだ。

 具体的には、高畠町以外の地方にも教室を設置。各地で教諭を探しだし、様々な地域の生徒が参加できるようにするとともに、新たな学校を分校と位置づけ、熱中小学校の授業を、他の拠点からリアルタイムストリーミングサービスで参加できるようにする。

オフィスコロボックルの堀田一芙代表

 すでに、会津若松市で、末廣酒造が所有する嘉永年間から続く嘉永蔵を使用して会津熱中塾を開設することを決定。11月15日にはオープンスクールを実施したのに続き、2016年2月にも生徒募集に向けたオープンスクールの開催を予定。同年4月から開塾するという。今後、帯広や八丈島にも教室を広げていく考えだ。

 それぞれの地域において、使われていないスペースを有効活用する取り組みであるとともに、地域を超えた形で、それぞれの地域が連携。異なる場所で同時に地方創生を行うというユニークなものだといえよう。

 堀田氏は、「地方創生というと、自分の場所だけ活性化すればいいという考え方が多い。複数の地域が一緒になって活性化を図るという考え方を提案していきたい」と語る。

 地方創生の新たな提案としても興味深いものだといえる。

 

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