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実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」 露木幸彦

慰謝料・養育費と不妊治療で毎月赤字
年収700万円バツイチ夫の憂鬱(下)

露木幸彦 [露木行政書士事務所代表]
【第17回】 2015年11月21日
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>>(上)より続く

 一樹さんは最初のうち、言い渋っていましたが、途中から「本当のこと」を話し始めました。一樹さんはバツイチで今回の結婚は2回目だったのです。4年前に当時の妻(はつみさん)と離婚したのですが、一樹さんと前妻の間には長女(さくらちゃん、当時10歳)がいたそうです。話し合いの末、さくらちゃんの親権は前妻が持つことに決まり、その代わりに一樹さんははつみさんに対し、さくらちゃんの養育費として毎月8万円、そして慰謝料として毎年6月と12月にそれぞれ30万円を支払うという約束をしており、養育費、慰謝料の支払が大きな重荷になっていたのです。

 具体的な数字を見ていきましょう。まず一樹さんの手取りは毎月の給与が28万円、ボーナス月の賞与が夏(6月)は60万円、冬(12月)は62万円とのこと。一方で毎月の支出は33万1000円ですが、毎月の給与を5万1000円も上回っており、6ヵ月ごとに賞与で赤字を補填せざるを得ない状況でした。

 しかし、赤字を補填すると今度は賞与月の収支も赤字に陥ってしまうという堂々巡り(6月は72万7000円-60万円=△12万7000円。12月は68万2000円-62万円=△6万2000円)で、結局、年間では18万9000円(月額に直すと月1万7000円)の赤字なので、すでに危機的な状況です。

 このまま赤字を垂れ流すようでは早晩、家計は破綻するし、夫婦の間に子どもが生まれたら生まれたで、ますます赤字が拡大し、絶望的な状況に追い込まれるのは目に見えています。赤ちゃんにかかる費用ですが、ミルク代、オムツ代などを考えれば、どんなに少なくとも毎月4万円はかかるでしょう。このままでは「経済的な理由」で、せっかく不妊治療で授かった子どもを中絶せざるを得なくなってしまいますが、それだけは絶対に避けなければなりません。

赤字を解消するためには
前妻の理解が必要

 では、家計の収支をどのように改善すれば、赤字を解消することができるでしょうか?一樹さんいわく、すでに出費を最大限、切り詰めており、これ以上、節約するのは難しいとのこと。あとは一樹さんが前妻に支払っている養育費、慰謝料を切り詰めるしかありませんが、例えば、養育費を毎月8万円から4万円へ、そして慰謝料を賞与月30万円から30万円から20万円へ減額すれば、ようやく家計はトントンに落ち着き、出血(赤字)を食い止めることができます。

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露木幸彦[露木行政書士事務所代表]

つゆき・ゆきひこ/行政書士、フィナンシャルプランナー。1980年生まれ。国学院大学卒。男性の離婚相談に特化した行政書士事務所を開業し、開業から6年間で有料相談件数7000件、法律文書作成900件を達成。公式サイトは1日訪問者3300人、会員数は1万3000人と、業界では最大規模にまで成長させる。2008年よりドコモ、au、ソフトバンクの公式サイトで法律監修を担当。四半期に一度、大相談会を開催している。主な著書に『結婚貧乏~結婚してはいけない人を避ける方法』(中央公論新社)、『離婚のことばハンドブック~今すぐ解決したい人のキーワード152』(小学館)、『男のための最強離婚術』『男の離婚 賢く有利に別れるための6つの成功法則』(共にメタモル出版)などがある


実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」 露木幸彦

昨今の離婚事情は複雑化している。夫が借金、浮気、暴力を繰り返して妻に愛想を尽かされるという「昭和型離婚」ばかりでなく、足もとでは「草食系離婚」も急増している。妻が多重債務、不倫、ヒステリーなどを繰り返し、真面目で優しい夫がそれに絶えられなくなって離婚を決意するというパターンだ。そうしたなか、離婚トラブルで悩み悶える男性が増えている。一度離婚トラブルに発展すると、男性は多くの精神的・物理的な負担を強いられる。到底納得できない理不尽な離婚トラブルに意図せず巻き込まれた場合に備えて、普段から対処法を考えておくことは必要だ。「男性の離婚相談」に特化し、数多くの相談実績を誇る行政書士の露木幸彦氏が、毎回実例を挙げながら、男性が陥り易い離婚トラブルへの対処法を指南する。読まずに泣くか、読んで笑うか――。現在離婚トラブルで悩んでいる人もそうでない人も、「他人事ではない男の離婚」について考えるための参考にしてほしい。

「実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」 露木幸彦」

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