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想像もしなかった
「アマゾン運営リアル書店」の狙いを考える

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第368回】 2015年12月2日
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 アマゾンが11月初め、路面の書店をシアトルにオープンした。

 このニュースを聞いて、頭をかしげる人は多いはずだ。アマゾンと言えば、オンライン書店としてスタートし、人々が居ながらにして欲しい本を手にできるよう便宜をはかってきた。だが、その結果起こったのは、従来型書店を経営難に陥れることだった。もはや路面の書店など時代遅れ、とでも決めつけるかのように、アマゾンはその後、オンライン書店から電子書籍書店へとどんどん歩を進めてきた。

 そのアマゾンが、普通の書店をオープン? なぜ時代を逆行するのか。アメリカでも、この動きを分析しようと多くのメディアが謎解きに挑んでいる。

オンラインと同価格で購入できる

 さて、それではそのアマゾン書店とはどんな場所なのか。

 写真を見る限り、インテリアは木が多用された落ち着いた雰囲気である。本棚がところ狭しと並べられている様子は、これまでの書店とそう変わりない。だが、ディテールになると、いろいろな工夫が施されているようだ。

 まず、かなりの数の本は表紙が見えるように展示されている。普通は本棚にできるだけたくさんの本を詰め込むため、本の背が見えるだけだが、ここではわざわざ場所を取って表紙をアピールする。

 また、そうした本にそれぞれプラカードが付けられており、その本のレビューと評価レベルを示す星が載っている。まるで、アマゾンのサイトを見ているような錯覚を起こしそうである。また、そのプラカードには値段の代わりにバーコードが付けられている。客がこれをスマートフォンでスキャンすれば、アマゾンのオンライン書店でその本のページが表示され、値段が確認できる。アマゾンのオンライン書店では値段が日々変動しているのだが、この書店での価格もそれと同じになるということである。もちろん、その本に関するもっと詳しい説明を読んだりもできる。

 メディアのレポートによると、本の並べ方にもユニークなところがあるという。たとえば、「テクノロジー好きに喜ばれるプレゼント」「ヤングアダルトへのギフト用」などといったコーナーが作られている。つまり、カテゴリーごとに堅苦しく分類するのではなく、実用的でわかりやすい配置を行っているのだ。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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