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ヘンタイ美術館
【第2回】 2015年12月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
山田五郎 [評論家],こやま淳子 [コピーライター]

連作の陰には心の傷が!?
モネの大家族時代

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「ヘンタイ美術館」とは、美術評論家・山田五郎さんを館長、ズブの西洋美術シロウト・コピーライターこやま淳子さんを学芸員見習いに見立てた架空の美術館。美術に興味はあるけれどどこから入っていいのかわからない、という方々に向けた、西洋美術の超入門・連載です。こちらの連載では、書籍『ヘンタイ美術館』から内容をピックアップしてお届けします。第2回は、モネの心の傷について、です。

飽くなき連作の背景にはモネの心の傷が

山田 さて、ここからが今回の本題です。同じ睡蓮を飽きずに200枚以上も描き続けたモネの執念って、ヘンタイ入ってると思いません?

こやま まあ、いっぱい描きすぎですよね。心が健康で正常な人は、こんなことできない気がします。

山田 ですよね?そこでオレの仮説なんですけど、飽くなき連作の背景にはモネの心の傷があったのかもしれない。

こやま またそういうのですか!?

『散歩、日傘をさす女』1875年、ナショナル・ギャラリー・オブ・アート、ワシントンD.C.

山田 今回は「男の心の傷」が裏テーマですから。実はモネは39歳のときに、最初の奥さんと死別してるんですよ。この有名な作品に描かれた、カミーユという女性なんですが。一緒に描かれている子どもは、モネの長男ジャンですね。

 モネ一家は1871年から78年までパリ近郊のアルジャントゥイユって町で暮らしているんですが、オレは個人的にはこの時期の作品がいちばん好きなんですよ。お金はないけど仲間と新しい運動を立ち上げて子どもも生まれ、公私ともに気力に満ちた30代。モネにとって、いちばん楽しく幸福な時代だったんじゃないでしょうか。こちらも奥さんのカミーユを描いた作品ですが、幸せそうでしょ?

『アルジャントゥイユのひなげし』1873年、オルセー美術館、パリ


こやま
 とてもいい絵ですね。

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山田五郎[評論家]

やまだ・ごろう/1958年東京生まれ大阪育ち。映画を学ぼうと上智大学新聞学科に入るが西洋美術史に興味を持ち、オーストリアに遊学。帰国後、大学院に進もうとしたが向いてないと教授に言われ自分でもそう思ったので出版社に就職。美術書を手がけるつもりが雑誌編集者として働くことに。
あらゆる分野で細分化と厳密化が進みすぎて全体像がわかりにくくなっている中で、自分は専門家ではないからこそ批判を怖れずざっくり面白く伝えることができると気づく。以来、美術、時計、食、街などについて、ざっくりした話を書いたり語ったり。
近著に『知識ゼロからの西洋絵画史入門』(幻冬舎)、『銀座のすし』(文春文庫)など。テレビ『ぶらぶら美術・博物館』(BS日テレ)や『出没!アド街ック天国』(テレビ東京系)など。

こやま淳子[コピーライター]

こやま・じゅんこ/京都生まれ。早稲田大学卒業後、博報堂などを経て独立。西洋美術はズブのシロウト。そんな自分にも楽しく美術を解説してくれた山田五郎トークの魅力にとりつかれ、ギャラリストの小和田氏、VoiceVisionの上地氏らとともに『ヘンタイ美術館』を企画。「学芸員見習い」として五郎館長に教えを請うトークイベントから始まり、同名書籍の元になった原稿を作成。様々な方々の協力を得ながら刊行に至る。
最近の仕事に、プラン・ジャパン「13歳で結婚。14歳で出産。恋は、まだ知らない。」、ワコール、カゴメ、ロッテの他、宣伝会議講師なども務める。著書に『しあわせまでの深呼吸。』『choo choo 日和』シリーズ。


ヘンタイ美術館

この「ヘンタイ美術館」は、美術評論家・山田五郎さんを館長に見立てた架空の美術館。美術に興味はあるけれどどこから入っていいのかわからない、という方々に向けた、西洋美術の超入門企画。

ダ・ヴィンチやミケランジェロといった、有名美術家たちは、じつはかなりどうかしちゃってるヘンタイばかり。そんな人間くさい美術家たちのキャラクターにスポットを当て、わかりやすく解説。

「ヘンタイ美術館」

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