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伝統をあなどるなかれ
ご来光は30分間浴びましょう

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【第274回】

 廃れる一方といわれながらも根強く残る日本のお正月。元旦くらいは親子そろって過ごす家庭が多いだろう──たとえ、お年玉が目当てとしても。

 もし初日の出参りを計画されているなら、ご来光から30分ほどは日の光を浴びて散歩をしよう。新しい一年を気分良く過ごすきっかけになるかもしれない。カナダはブリティッシュ・コロンビア大学の報告から。

 冬になると気分が落ち込む季節性のうつに対しては、高い照度の光を浴びる「高照度光照射療法」が有効であることが知られている。

 しかし、季節とは関係がない大うつ病については、有効か無効かの決着はついていなかった。

 研究者らは、大うつ病の成人患者(年齢19~60歳)122人を、(1)起床後、30分間1万ルクスの光を浴びる光療法単独群(32人)、(2)抗うつ剤のSSRI単独群(31人)、(3)光療法+SSRI併用群(29人)、(4)偽薬+偽光療法群(30人)に割り付け、8週間にわたり治療を行った。治療の効果は、治療終了後の「MADRS」うつ病評価尺度(10項目、合計0~60点で評価、30点以上で重症)で判定した。

 その結果、うつ病スコア平均改善値が最も高かったのは、光療法+SSRI併用群の16.9点だった。次いで光療法単独群が13.4点、SSRI単独群が8.8点、偽薬+偽治療群が6.5点だった。

 うつ病スコアが50%以上改善された患者の割合は、光療法単独群で50%、併用群では75.9%に達した。一方、SSRI単独群は29%、偽薬+偽治療群は33.3%と薬物療法単独では、有意な治療効果を示すことはできなかった。

 また、うつ病スコアが健常な人並みに寛解した人の割合は光療法単独群で44%、併用群では59%と半数以上が寛解している。どうやら人間が抑うつに陥らず過ごすためには、薬よりも光をしっかり浴びることが必要らしい。

 ちなみに「治療」に必要な1万ルクスを太陽光で得るなら、晴天の昼ごろが最適。初日の出は、少々及ばない。とはいえ、新年の高揚感との相乗効果で、気分良く一年を始めるに十分な明るさがある。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


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