ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
三谷流構造的やわらか発想法

ハーレーダビッドソンの客はなぜ乗らずに買うのか

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第128講】 2015年12月24日
1
nextpage

一目惚れで買ったハーレーダビッドソン、ナイトロッド

 2007年春、15年ぶりにバイクに乗り、大型自動二輪の免許をとりました。中型免許は持っていたので、近所の教習所で12時間の実技教習と卒業検定試験を受けてのもの。掛かったのは1ヵ月弱。42歳11ヵ月でのことでした。

 そのまま勢いでハーレーダビッドソンのVRSCD(Night Rod:ナイトロッド)を購入しました。カタログで写真を見ての一目惚れ。すぐに「アメ車」と知ってビックリしました。

 高回転型の水冷エンジンで、ロング&ローのまことにハーレーらしからぬスタイルなのですが、排気量1131cc(*1)、乾燥重量300kg、速度計は240㎞/hまで切ってある、モンスターマシンです。

 新車の購入とカスタム(=改造)のために数週間、ディーラーに通いましたが、そこで目にしたものは「大人の鉄馬乗り」の世界でした。

 晴れた週末、ディーラーの店頭には、30~50代のライダーたちがドコドコと低い排気音を響かせながら、集まってきます。お茶を飲みに、ツーリングの待ち合わせに、買い物のついでに。

復活のハーレーダビッドソン

 ハーレーダビッドソンは1903年米国ウィスコンシン州創業のバイクメーカーです。もともとレース用車を製作していましたが、69年の映画「イージー・ライダー」にも見られるように、次第に無法者(アウトロー)・無頼漢の象徴となっていきました。70年代には米国大型バイク市場において70%のシェアをもち、断トツのナンバーワンでした。

 それが、ホンダ(*2)を初めとした日本メーカーの猛攻を受け、80年代前半にはシェア15%、売上高2億ドルにまで急落し、ついには営業赤字に陥ったのです。

*1 2007年式。2008年式からは1250ccでABSがついている。
*2 創業は1948年。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

「三谷流構造的やわらか発想法」

⇒バックナンバー一覧