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冬の時代に豪華ビルが開業
大阪駅周辺再開発の不安増殖

週刊ダイヤモンド編集部
2010年6月14日
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 四つの百貨店合計の売り場面積は25万平方メートル。来年春、東京・新宿に匹敵する百貨店集積地に生まれ変わる大阪駅・梅田駅周辺だが、早くも需要の厳しさが鮮明になってきた。

 大阪駅ビル内の大丸は増床工事中で、完成すれば1・6倍の売り場面積となる。新築中の駅ビル「新北ビル」には、伊勢丹がオープンする。2012年春には、阪急百貨店の改装も完了。阪神百貨店と合わせて、四つの百貨店が集まる。

 JR西日本の投資額はおよそ2100億円。百貨店のほかにも、オフィススペースや、八つの中庭が点在する豪華な造りだ。

 構想から数えて、20年越しの大プロジェクトだが、逆風下でのオープンを余儀なくされている。たとえば百貨店。伊勢丹の売り上げ計画は、坪効率月60万~70万円で、大阪地区の百貨店の平均値の半分ほどと控えめだ。大丸も売り場面積が6割増えるのに対して、売り上げは2割ほどしか増えない計画にしている。

 JR西日本では、岡山や広島にも積極的にプロモーションを仕掛けていくほか、大阪・梅田地区全体で集客をしようと、阪急・阪神にもラブコールを送る。

 オフィススペースも急増する。改装中の阪急百貨店は、上層階のオフィススペースがまだ3割しか埋まっておらず、苦戦を強いられている。JR西日本も新北ビルにオフィススペースを持つが、こちらは伊藤忠商事の入居だけで6割が埋まり、胸をなで下ろしている。

 しかし今後、大阪駅の背後にある広大な貨物スペースの再開発も控えており、完成すれば10万平方メートルのスペースが新たに加わる。こちらは三菱地所などが主体となる予定だが、供給量に見合う需要が本当にあるのか疑問の声が上がる。大阪に残された「最後の一等地」にもかかわらず、関係者は頭を痛めている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 津本朋子)

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