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なぜアップル信者が増え続けているのか

川原慎也 [船井総合研究所 東京経営支援本部]
【第23回】 2010年6月14日
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製品力 < マーケティング力
アップル製品がヒットする秘密

 「ジーンズの前ポケットのさらに内側にあるこの小さなポケット…。いったいこのポケットは何のためにあるのかボクにはわからなかったんだが…このポケットはコレをいれるためにあったんだね!!」

 アップルのスティーブ・ジョブズCEOがこう言いながら、“iPod nano”をその小さなポケットからおもむろに取り出して披露した瞬間、会場から割れんばかりの拍手が起こったのを覚えている方も多いのではないでしょうか。

 iMac、iPod、iPhone、iPad…と立て続けにヒット商品を世に送り出してきたアップルのマーケティングは、トップであるスティーブ・ジョブズ自らが壇上に立って行なうプレゼンテーションから始まっています。

 アップルがマーケティングに大きな力を注いでいるのは、そのスケジュールが告知された時点でマスコミ各社が楽しみにしているというこの「トッププレゼン」だけに限りません。細部に至るまで管理されている「ブランディング」からもうかがい知ることができます。

 ブランドロゴはもちろん、CMやアップルストアによるイメージ訴求、ひと目でアップル製品だと認識できるような視覚に訴えるデザインや色づかい、利用者の聴覚までをも意識していると思わせる操作音、製品を梱包する箱に至るまで、あらゆるものに対するこだわりを感じます。現在は、名だたるIT系企業が導入している“エバンジェリスト”(自社製品の啓発活動を行う職種)も、その先駆けはアップルだという話もあります。

 製品の機能面がヒットの要因のように考えてしまいがちですが、ベンチマークすべきポイントとして忘れてはならないのは、このように徹底的なマーケティング力によってその(もともと高い)製品価値を、より最大化させている手法でしょう。

 少し古い話になりますが、かつてペプシコーラが最初の躍進を遂げた1970年代も、マーケティングの強化がその原動力でした。記憶されている方も多いかも知れませんが、「ペプシチャレンジ」という大キャンペーンを仕掛け、CMによる比較広告等(日本ではうけが悪かったようですが)の効果もあり、コカ・コーラの牙城を切り崩していきました。

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川原慎也 [船井総合研究所 東京経営支援本部]


1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業種業態を問わずに戦略実行コンサルティングを展開するという同社では異色の経験を持つ。「視点を変えて、行動を変える」をコンセプトに、戦略策定段階では「お客さまとの約束は何か」→「約束を果たすためにやるべき仕事は何か」を考え抜こう、計画策定段階では「計画が頓挫する可能性の対処策」を考え抜こう、実行段階では「勝たなきゃ組織一体化しない」から“勝ち”を積み重ねる階段を考え抜こう、と経験に裏打ちされた“視点”への刺激が散りばめられ、組織を動かす原動力へと変えていく。
最新著に『絶対に断れない営業提案』(中経出版)がある。

【関連サイト】『経営参謀の視点』※毎週月曜日更新 

 


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不透明な経済状況が続き、半年先の景気を読むことさえ難しい日本経済。この連載では、様々な業界やテーマで活躍する船井総研の専門コンサルタントが、業界別に分析し、半年先の景況感を予測していきます。

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