ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
イノベーション的発想を磨く

真田の兵法から学ぶ「小が大に勝つための4原則」

~『真田三代弱者の戦略』(福永雅文著)を読む

情報工場
【第9回】 2016年1月23日
1
nextpage

ビール業界の“不釣り合いな”提携の背後に潜む戦略とは?

 2014年9月、キリンビールホールディングスが、クラフトビール最大手のヤッホーブルーイング社との業務提携と出資を発表した。クラフトビールの市場規模はビール類全体のわずか0.5%にすぎない。ビール業界全体からみれば、ヤッホーブルーイング社は非常に小さい企業だ。それなのになぜ、キリンのような大手が提携を進めたのだろうか?

『真田三代弱者の戦略』
福永雅文著
日本実業出版社
249p 1500円(税別)

 ヤッホーブルーイング社には、他社にはない二つの特徴がある。一つは、「ラガービール」が主流の日本市場ではまだ珍しい「エールビール」を主力商品としている点だ。同社の看板商品「よなよなエール」は、モンドセレクションで最高金賞を3年連続で受賞するなど、大手に勝るとも劣らぬ高品質を誇る。

 もう一つは、大手が得意とするマスマーケティングではなく、メールマガジンなどを活用した顧客との直接的コミュニケーションでニッチな顧客基盤を確立している点だ。大手では1%程度しかないネット通販の売上げ比率も、全社売上げの3割を占めている。

 ビール全体の出荷量が10年連続で過去最低記録を更新している中、同社は確かな商品力と地道なマーケティングによって9年連続で増収増益を達成している。キリンビールは、クラフトビールというまだ小さいが拡大しつつある市場での圧倒的な強さを取り込むことで、ビール市場全体の流れを大きく変えたかったに違いない。

 こんな事例を紹介したのは、ヤッホーブルーイング社の戦略が本書のテーマである「弱者の戦略」に通じると考えたからだ。

 本書の著者、戦国マーケティング代表取締役の福永雅文氏は、NPOランチェスター協会常務理事で、ランチェスター戦略学会常任幹事。小が大に勝つ「弱者逆転」を使命とし、わが国の競争戦略のバイブルともいわれるランチェスター戦略を伝道する戦略コンサルタントだ。

 本書では、地方の小さな豪族にすぎなかった真田家の闘い方を、「ランチェスターの法則」と「孫子の兵法」を活用して分析している。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
ビジネスプロフェッショナルの方必見!年収2,000万円以上の求人特集
ビジネスプロフェッショナルの方必見!
年収2,000万円以上の求人特集

管理職、経営、スペシャリストなどのキーポジションを国内外の優良・成長企業が求めています。まずはあなたの業界の求人を覗いてみませんか?[PR]

経営課題解決まとめ企業経営・組織マネジメントに役立つ記事をテーマごとにセレクトしました

クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

情報工場

2005年創業。厳選した書籍のハイライトを3000字にまとめて配信する書籍ダイジェストサービス「SERENDIP(セレンディップ)」を提供。国内の書籍だけではなく、まだ日本で出版されていない、欧米・アジアなどの海外で話題の書籍もいち早く日本語のダイジェストにして配信。上場企業の経営層・管理職を中心に約6万人のビジネスパーソンが利用中。

浅羽登志也

情報工場シニアエディター。1989年、京都大学大学院修士課程修了後、リクルート入社。同社スーパーコンピュータ研究所にてインターネットに関する研究に従事。1992年、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)に創業メンバーとして入社。インターネット黎明期からサービス開発・技術開発に携わる。IIJは、日本で最初にインターネット接続の商用サービスを開始したインターネットサービスプロバイダで2006年12月東証一部上場。1999年、IIJ取締役、2004年より2009年までIIJ取締役副社長。2008年より2015年までIIJイノベーションインスティテュート代表取締役社長。2015年7月よりIIJフェロー。情報編集にも興味を持ち、2007年より松岡正剛氏主催のイシス編集学校で松岡流編集術を学ぶ。現在イシス編集学校の師範を務める。2010年に軽井沢へ転居。自然農法で、自家用の蕎麦や大豆を栽培中。

 


イノベーション的発想を磨く

経営戦略を描くヒントになる、イノベーションのヒントになる、マネジメント層のための知恵袋になる…。経営層・管理職に本当に役立つ書籍を厳選して紹介。

「イノベーション的発想を磨く」

⇒バックナンバー一覧