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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

世界大恐慌再来の不安に日本はどう対処するか

高田創・みずほ総研チーフエコノミスト

高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]
【第197回】 2016年1月27日
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「第4局面」のリスクシナリオ浮上
“世界同時不況”再来への不安

 昨年来、筆者の抱く基本シナリオは、2000年代以降の世界経済の長期にわたるバランスシート調整の「第3局面」、新興国問題を抱える局面にあるとの認識であった。2016年を展望し、先進国は緩やかな改善を見込むが、新興国は下振れリスクを内包する局面にあるとした。

 バランスシート調整の3局面は、図表1にまとめてきた。第1局面として2000年代以降、先進国の民間セクターの過度な信用拡張の反動が、2007年のサブプライム危機、2008年リーマンショックにつながった。第2局面は、第1局面の危機に対処した財政拡大により、2009年以降、先進国で債務問題が生じた。

 第3局面は、先進国のバランスシート調整が第2局面の先進国自らの対応では収まらず、新興国の信用拡張によって対処されてきたことによる。新興国が新たなバランスシート調整を迎える局面に入ったとの認識だ。第3局面では「端境期」とし、牽引役の交代シナリオ、新興国の減速と先進国の回復シナリオとしてきた。

 しかし、今年新たなリスクシナリオ、「第4局面」が浮上した。新興国が深刻なバランスシート調整にあるなか、先進国もバランスシート調整が長引き、世界連鎖不況に陥ることだ。唯一の牽引役である米国が利上げで失速し、世界に牽引役が不在となる「世界水没(金利マイナス)」の不安、極端には世界同時不況再来である。年初来の世界的株安はそうした悲観シナリオへの不安による面が大きい。

◆図表1:世界のバランスシート調整局面の概念図

(資料)みずほ総合研究所作成

 筆者は今から4年前、2012年に、『20XX年世界大恐慌の足音』 と題する本を著したことがある。これは、先の段階論で言えば、「第1局面」を前提とし、日米欧のバランスシート調整が同時に生じた環境下、世界経済戦争が生じている「新重商主義」の局面にあるとの問題提起であった。その認識は今日も変わらない。

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高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

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