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次の金融恐慌は2017年か!?“10年周期説”の信憑性

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第392回】 2015年9月1日
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金融市場は安定を取り戻すが
いずれ中国の問題表面化は避けられない

 中国政府が矢継ぎ早に対応策を打ち出したが、世界の金融市場では依然として不安定な動きが続いている。ただ今後、リスク回避のために株式や原油などの先物を売っていた投資家の買い戻しが入ると見られ、早晩、金融市場は安定した展開を取り戻すだろう。

 しかし、長い目で見ると、中国経済が抱える問題が片付いたわけではない。今後、数年というスパンでは、同国の経済や政治体制などの問題点が表面化する可能性は高い。というよりも、それは避けることのできない必然と見る。

 今回の金融市場の混乱の中で、最も顕著になったのは中国政府の慌てぶりだった。なりふり構わぬ強引な株価押し上げ策や、突然の為替レートの実質的な切り下げなどは、明らかに政策当局のコントロールの限界を露呈していた。

 市場関係者から、「経済や金融市場の動向に関して、中国政府が制御できる範囲はかなり限定的だったことが分かった」との指摘は多い。今まで、何ごとも力づくで抑え込むことが可能と考えられてきた、一党独裁の政治体制にも限界が見えたとも言える。

 今後、何かのきっかけで中国の問題が顕在化した場合、今回の世界同時株安を上回る混乱が発生することも想定される。世界第2位の経済大国が抱えるリスクを過小評価することは適切ではない。

 中国の経済問題と欧米経済の減速などが運悪くタイミングが重なると、主要国の経済政策ののりしろが限られていることもあり、世界経済はかつての世界恐慌のような厳しい状況に追い込まれることも考えられる。そのリスクシナリオは、頭の中に入れておくべきだ。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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