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陳言の選り抜き中国情報

中国で外資企業が歓迎されていないと感じ始めた

陳言 [在北京ジャーナリスト]
2016年1月27日
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 在中国米国商工会議所(AmCham China)とコンサルタント会社のベイン・アンド・カンパニー(Bain&Company)は1月20日、2016年度の中国ビジネス環境調査報告を発表した。

 それによると、中国の米国企業は規制と景気減速という二重苦に直面しているが、大多数の企業が新たな発展の可能性を模索するなかで、中国は依然として海外投資の重点対象国のトップ3に入っている。

 報告書によると、外国企業が中国で歓迎されていると感じる度合いは幾分下降傾向にあり、法整備の曖昧さからくる困惑も増え、一貫性に乏しい規制に関する解釈、およびライセンス資格の取得困難などがあるものの、調査に協力した企業の多くが中国市場の潜在力について楽観的であることが明らかになっている。今回の調査は、在中国米国商工会議所の会員企業約500社の協力を得て実施されたものである。

外資の収益は減少するも
中国は依然として有力な投資先

 報告書によれば、調査に協力した企業の過半数が中国を主要な投資対象国と考えているが、昨年度の収益増大は景気減速の圧力が倍増するという困難な環境の中で確保されたものだった。回答企業の45%が、昨年度の収益状況が2014年並みかそれ以下だったとしている。また64%の企業は2015年度に利益を計上したが、過去5年間で最低水準だったと回答した。

 業界によって、業績はさまざまである。たとえば、サービス業全体の約3分の2の企業は利益を伸ばしたが、工業および資源産業の半数近くの企業では利益が減少している。

 中国の経済環境は厳しさを増しているが、依然として肯定的な要素も存在している。その他の発展途上国の市場と比べても、中国市場は米国企業の投資先として前列に位置しているからだ。60%の企業が中国市場を投資先のトップ3に置き、25%の企業は投資先の第1候補に選んでいる。

 しかし、中国市場にビジネス・チャンスは多くあるものの、回答した企業の4分の1は、過去3年間に生産能力の一部を中国以外に移転した、あるいは今後移転する計画がある、としている。

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陳言 [在北京ジャーナリスト]

1982年南京大学卒。『経済日報』に勤務してから、1989年に東京大学新聞研究所、慶応大学経済学研究科に留学、博士課程終了、萩国際大学教授。2003年に帰国。月刊『経済』主筆。2010年から日本企業(中国)研究院を設立、執行院長。ダイヤモンドオンライン、『週刊東洋経済』『アエラ』『中国経済週刊』『中国経営報』などのメディアに数多くの記事を掲載。2015年日本語日刊紙『速読中国』を創刊して編集長を兼任。


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世界第2位の経済大国になった中国は、依然として猛烈なスピードで変化している。一方、中国にはウェブ系も含めると、何千というメディアが存在し、情報が溢れかえっている。北京在住の経済ジャーナリスト・陳言氏が玉石混交の情報の中から、中国の対外関係、多国籍企業、技術革新、中国の経済政策など日本経済や日本企業に影響を及ぼす情報を選りすぐり解説する。そこからは日本のメディアが伝える中国とは、違った姿が見えてくる。

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