年収4000万円で引き抜き
航空需要の拡大で、パイロットは国内のみならず世界的に不足し、ヘッドハントが多発している。
JALのパイロットは、大型機のライセンスや、日本のマーケットで磨き上げた高い操縦技術を持つ一方で、破綻に伴う給与カットで年収が相場よりも低いため、格好のターゲットになっていた。
関係者によると、中でも中国の航空会社による引き抜きは激しく、年収4000万円といった破格の条件を提示するところまであるという。
その結果、14年度は機長22人、副操縦士9人がJALから他社へ転職。15年度になっても流出は続いている。
当然のことながら、パイロットがいなければ運航に支障が出る。14年には、格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションやバニラ・エアが、パイロットの確保がままならず大量欠航に追い込まれている。
「このままパイロットが流出していけば、せっかく軌道に乗っていたJALの事業計画そのものが破綻してしまう可能性も出てくる」と、航空関係者は指摘する。
JALは、深夜早朝便搭乗の場合を除いてハイヤーによるパイロットの送迎をやめたほか、渡航先で滞在するホテルのグレードを下げるなど、待遇面においても他社に劣っており、パイロットたちの不興を買っている。
制約を受ける中で、いかにパイロットの流出を防ぐのか。激化する争奪戦において、JALの悪戦苦闘は今後も続きそうだ。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 須賀彩子)

