ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
三谷流構造的やわらか発想法

昇格では任せられ度、採用では面接官をハカる

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第131講】 2016年2月4日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

コンサルタントの人事評価で困ったこと

 今からもう20年近く前のこと、会社として「コンピテンシー評価」を導入することになりました。

 グローバルで一斉に取り入れるというその人事評価制度は、戦略コンサルタントの能力を30数種のコンピテンシーに分け、各々で1~7のレベル分けがされていました。新人レベルが1、業界トップクラスが7という具合です。

 学卒の新入社員から経営幹部クラスまでを、ひとつの具体化・明文化された枠組みの中で評価しようという、意欲的な試みでした。

 でも、その難しさがすぐわかりました。すべてを評価しきれないのです。能力的にも、原理的にも。

 あるスタッフが1つのプロジェクトに関わったとき、その30数種のコンピテンシーすべてが求められるわけではありません。なので原理的にすべてを評価することは不可能です。でも30数種に細分化しておかなければ、評価は極めて曖昧なものになってしまうので、仕方ありません。

 また、そのスタッフが関わった10種のコンピテンシーを評価するにしても、その精度は評価者の能力次第でもあります。評価者はすべての能力において、そのスタッフを上回っているわけではないでしょう。そのスタッフがその評価に納得するかどうかは、ひとえに評価者の能力によってきます。それを保障することは極めて難しいことでした。

 個別のプロジェクト評価でもそうですが、もっと困ったのが年次での昇格評価でした。アナリストからコンサルタントにするのか? コンサルタントからマネジャーにするのか?

 30数種のコンピテンシーのうちいくつが何以上なら、そうしていいのでしょうか? いや、そもそもそんなことで決めちゃっていいのでしょうか?

昇格は任せられ度のマトリクスで決める

 幹部みんなで額を付き合わせて議論していたら、ある者がこう言いました。

 「結局、そいつにどれだけ任せられるか、で決めてんじゃないの?」

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

「三谷流構造的やわらか発想法」

⇒バックナンバー一覧