鉄鋼を中心に幅広い商材を扱う独立系商社。近年は成長が見込まれる海外事業に注力している。人材育成に積極的な投資を行い、若いうちからチャンスを与える文化が根付いている。求めているのは、「やらされるのではなく自分からやるタイプ」だ。

「ユーザー系商社」の強みを生かして成長。引き続き海外事業に注力阪和興業
三根 正(みね ただし) 人事部長

 鉄鋼事業を中心に、プライマリーメタル事業、リサイクルメタル事業、食品事業、エネルギー・生活資材事業など、幅広い分野で事業を展開する阪和興業。独立系商社であることから、系列の制約がなく、自由な発想で動ける強みがある。

 2025年3月期は、第10次中期経営計画の2年目で、売上高は約2兆5500億円、経常利益が約600億円と、目標通りに推移している。鉄鋼事業では、ここ数年で海外事業が大きく伸びた。三根正(みねただし)人事部長は、「日本から輸出して日系企業に販売する形態から、日本や海外から仕入れて現地のローカル企業にも販売する形態に変わりました。インドネシアを中心に、メキシコなどでも同じようにローカル取引を増やしています。回収リスクに留意しつつも、現地取引を増やしたことが、海外事業が伸びている要因だと思います」と成長の手応えを語る。

 国内事業に関しては、右から左の売買にとどまらず、2次・3次加工といった川下にも踏み込み、グループ会社の活用も進めたい考えだ。「系列に縛られない独立系であることに加え、メーカーや海外リソースも含めた最適提案ができる“ユーザー系商社”というのが阪和の強みです」と三根部長は強調する。今後、海外事業の比重はさらに高まる見通しで、「海外志向の人には、今の阪和は向いていると思います」とも話す。