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ブラックバイト認定で業界危機、塾講師不足の深刻

唐仁原俊博[ライター]
【第22回】 2016年2月6日
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塾講師が“おいしいバイト”であった時代は終わったのか

 もう10年以上前のことだが、私は大手予備校で個別指導講師のバイトをしていた。そのときは「事前準備の時間が必要なことを踏まえて」と釘を差されたが、時給は2000円を超えていたので、実に“おいしい”バイトであった。しかし、それから時代は変わり、どうやら状況は変わりつつあるらしい。

大手予備校閉鎖の裏で
急増する塾講師の新規求人数

 2014年夏、予備校業界最大手の代々木ゼミナールが、全国27ヵ所の校舎のうち、20ヵ所を閉校すると発表した。大量閉鎖の理由に挙げられていたのは少子化と浪人生の減少。現役合格を目指す人が増え、浪人生が減れば、それだけ予備校の出番は少なくなる。

 代々木ゼミナールのニュースが大々的に報じられたので、塾業界では求人も低迷しているものとばかり思っていたのだが、実はそうではないようだ。経済産業省の『特定サービス産業動態統計調査』によれば、ここ数年、専任講師の数はほぼ横ばいだが、非常勤講師数は10年ほど前に急増し、その後、勢いはゆるやかになったがじわじわと増加を続けている。

◆図1:学習塾生徒数

経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」よりトモノカイ作成
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◆図2:非常勤講師数

経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」よりトモノカイ作成

  しかし、実は塾講師はこれでもまだ足りていない。厚生労働省が集計している塾講師の新規求人は7年前と比べてなんと60%も増加しているのだ。株式会社トモノカイが運営する業界最大級の塾講師求人サイト「塾講師ステーション」も昨年、過去最高の採用実績を記録した。

 トモノカイ講師求人部門長の富田直宏氏によれば、講師の需要増加の一因として、2000年代初頭から個別指導方式の塾が増えてきたことが挙げられる。個別指導塾は参入障壁が低い。教室ひとつを取ってみても、集団指導の場合、複数の大教室が必要だが、個別指導なら一つの部屋を複数に区切ってブースを作ればいい。さらには、集団指導方式の大手塾や、家庭教師業からの参入も相次いだ。

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