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課長は労働法をこう使え!
【第5回】 2016年2月24日
著者・コラム紹介バックナンバー
神内伸浩 [弁護士]

仕事ができない「給料泥棒」状態の部下に
課長はどう指導すべきか!?

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最近の労働環境は「ハラスメントブーム」状態。課長にとって、おそらく過去最大レベルに労働法の知識が求められる時代が訪れています。新刊『課長は労働法をこう使え!』の中から、事例とともに実践的な「法律の使い方」をお伝えする連載第5弾。


 給料の高い部下が労働問題を引き起こすケースには、いくつかのパターンがあります。ここでは、代表的なものを取り上げて紹介します。

課長が部下を「高額所得者」
「富裕層」となじったケース

  あなたは、自分より給料の高い部下がいたらどう思いますか。正直なところ、「おもしろくない」と感じることでしょう。

 ある消費材メーカーでの話です。

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営業課長は、ある部下の給料の高さに、
常々「給料泥棒」と思っていました。
前任の課長が、この部下を高く評価し、給料を上げていました。
しかし、自分が課長になってからはノルマ未達の繰り返し。
「この程度の仕事しかできないやつに、こんなに給料を支払うのはおかしい」
課長は毎日苦々しく思っていました。
こうした意識が、態度や発言の端々に表れるようになります。
ある日、部下が基本的な契約ミスをして、商談をまとめるのに失敗します。
すると課長は、他のスタッフの前でこう言い放ちます。


「新人でもしない凡ミスをするくせに、バカみたいに高い給料もらってんだもんな!」

部下はカッとなって課長につかみかかりました。
周囲の社員がいさめ、その場は何とか収まりました。

その後も課長はねちねち攻撃を続け、
営業会議などの場で陰湿な呼称を使い始めます。


「この高額所得者が6ヵ月連続でノルマ未達です」
「自分の給料の半分も稼いでません。他の社員に養ってもらっている状態です」
「この案件は簡単すぎて富裕層には物足りないかな」


などとバカにし放題。
やがて部下はうつ病になり、休職しました。

---------

 この課長の行為は、明らかにパワハラです。ここまでやる人は少ないかもしれませんが、ノルマ未達が続いているのに自分より給料の高い部下がいたら、あなたはこの課長のようにならないと言い切れるでしょうか。

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神内伸浩 [弁護士]

(かみうち・のぶひろ)労働問題専門の弁護士(使用者側)。1994年慶応大学文学部史学科卒。コナミ株式会社およびサン・マイクロシステムズ株式会社において、いずれも人事部に在籍。社会保険労務士試験、衛生管理者試験、ビジネスキャリア制度(人事・労務)試験に相次いで一発合格。2004年司法試験合格。労働問題を得意とする高井・岡芹法律事務所で経験を積んだ後、11年に独立、14年に神内法律事務所開設。民間企業人事部で約8年間勤務という希有な経歴を活かし、法律と現場経験を熟知したアドバイスに定評がある。従業員300人超の民間企業の社内弁護士(非常勤)としての顔も持っており、現場の「課長」の実態、最新の労働問題にも詳しい。
『労政時報』や『労務事情』など人事労務の専門誌に数多くの寄稿があり、労働関係セミナーも多数手掛ける。共著に『管理職トラブル対策の実務と法 労働専門弁護士が教示する実践ノウハウ』(民事法研究会)、『65歳雇用時代の中・高年齢層処遇の実務』『新版 新・労働法実務相談(第2版)』(ともに労務行政研究所)がある。単著は本書が初となる。


課長は労働法をこう使え!

パワハラ、セクハラ、ソーハラ、マタハラ……。昨今は、これまであまり問題視されてこなかったコミュニケーションにも「ハラスメント」のレッテルが貼られるようになりました。課長にとって、おそらく過去最大レベルに労働法の知識が求められる時代だと言えるでしょう。そこで本連載では、国内企業と外資系企業の人事部でサラリーマン経験がある労働問題解決の第一人者が、事例とともに実践的な「法律の使い方」をお伝えします。

「課長は労働法をこう使え!」

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