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炭素繊維が原油安で大打撃を食らっている理由

週刊ダイヤモンド編集部
2016年3月1日
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三菱レイヨンは、圧力容器の需要増を見込んで米国工場の生産能力を増強中。今後、伸びが期待できる燃料電池車向け燃料タンクの開発などでも"挽回"を図る

 軽くて強い「夢の素材」と呼ばれる炭素繊維が、原油安の打撃を食らっている。東レ、帝人、三菱レイヨンが圧倒的な供給力を誇る炭素繊維といえば、航空機や自動車への採用がよく知られるが、この二大用途に続く“期待の星”が輝きを奪われているのだ。

 期待の星とは、米国などから引き合いが強い圧力容器なるもの。天然ガスで走る自動車の燃料タンクや、天然ガスを大量に輸送するときの大型タンクとして使われる。

 トラックでいえば、積み荷をたくさん積むために燃料タンクは軽いに越したことはない。大型タンクにしても、自重でつぶれることがないよう、軽さが必要だ。一方、破裂すれば大事故につながるため、これらタンクには強度も必要。というわけで、鉄の4分の1の軽さにして10倍の強さを持つ炭素繊維が重宝されている。

 1年半ほど前まで、圧力容器は炭素繊維の使用先として注目の的だった。何しろ需要が伸びていた。シェールガス開発が進んだことで天然ガスの価格が下がっていた上、欧州などが自動車の排ガス規制の厳格化を推進。大型トラックを中心に、燃料を天然ガスに切り替える動きが増えていたからだ。

 しかも、圧力容器は航空機と同じく安全性が重んじられるため、中でもムラのない高品質な炭素繊維が求められる。そのため、同じ伸び盛りの風力発電機の回転羽根のように、「量は稼げるが、それほど品質は良くなくていい」とされ、利益が取りにくい用途に比べて「すごくいい売り先」(炭素繊維メーカー関係者)でもあった。

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