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吉田恒のデータが語る為替の法則

金融混乱行き過ぎの修正が始まった!
豪ドル、ユーロ、米ドルの反発のメドは?

吉田 恒
【第88回】 2010年7月14日
著者・コラム紹介バックナンバー

 先週のコラムで予想したとおり、ユーロ高を追いかける形で、株高&金利上昇となってきました(「現在のイールドカーブが語るユーロ高・株高・金利上昇のシナリオとは?」を参照)。

「ユーロ・ショック」相場の
行き過ぎの修正が始まった

 ユーロ、株、金利の関係を見ると、4月頃から「ユーロ安・株安・金利低下」、あるいは、「ユーロ高・株高・金利上昇」と同じ方向に動く展開が続いてきました。

 ところが、6月末から7月初めにかけて、ユーロが大きく反発へと向かう動きを尻目に、株は一段安で年初来安値を更新し、米国の金利も年初来安値を更新するといった感じで、ユーロが株・金利の動きと逆方向に動いていました。

 こういった動きについて、金融混乱の主役がユーロ・欧州から米ドル・米国へシフトしてきた結果だとの見方が多いようですが、私はそうではないと思っていました。

 4月頃から続いてきた「ユーロ発の金融混乱」、「ユーロ・ショック」相場の行き過ぎの修正が始まっているのであって、株も金利も上昇に転換すると考えていたのです。

 実際、先週からそのような感じになってきています。

 ユーロ発の金融混乱から米ドル発の金融混乱に変わるのか、それとも、金融混乱自体が一段落するのかでは、大きな違いがあります。

 私の見方は後者でしたが、形を変えてリスク回避が続いているわけではなく、リスク回帰に戻ったということならば、豪ドルなどの資源国通貨が急上昇となったのも当然の結果だと思います。

豪ドルは下がり過ぎ修正で
81円近辺まで上昇しそう

 さて、豪ドルについてもう少し詳しく考えてみましょう。

 豪ドル/円は一時72円台まで急落しましたが、ここで90日移動平均線からのカイ離率がマイナス10%程度にまで拡大し、経験的には「短期下がり過ぎ」の限界までカイ離しました。

 ただ、下落方向へと振れ過ぎた動きに対しては「振り子の原理」が働き、揺り戻しも大きなものとなって、経験的には最低でも90日移動平均線を回復するものです。

豪ドル/円

 上のチャートは私が相場の行き過ぎをチェックする方法として構築している「オーバーシュート・アラート(OSA)」ですが、これによると、豪ドル/円の90日移動平均線は7月12日(月)現在で81円程度ですから、下がり過ぎ修正の豪ドルはその水準まで上昇する可能性がありそうです(「相場の底や天井がカンタンにわかる吉田恒さんの秘密兵器とは?」を参照)。

ユーロは対円、対米ドルで
どこまで反発するのか?

 それでは、ユーロ/円はどうでしょうか?

 ユーロ/円も90日移動平均線からのカイ離率が、一時マイナス10%前後まで拡大しました。これは経験的に「下がり過ぎ限界圏」と言える水準です。

 下がり過ぎが一巡し、その修正が「振り子の法則」で90日移動平均線を回復するまで続くならば、7月12日(月)現在では118円程度になります(下の「OSA」のチャート参照)。

ユーロ/円

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世論調査

質問1 ユーロショックの反発はすでに始まった?



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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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