ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

マードックにグーグルも譲歩?
無料ニュースの時代が突如終焉する日

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第72回】 2009年12月9日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 ニュースビジネスの未来を巡って、グーグルとニューズ・コーポレーションとの間で激しい応酬が続いている。

 ことの始まりは11月、ニューズ・コープのルパート・マードック会長が同社傘下のコンテンツを、グーグルの検索からもグーグル・ニュースのインデックスからも見えなくすると宣言したことだ。

活字メディアの救世主?ニューズ・コーポレーションのルパート・マードック会長
Photo(c)AP Images

 グーグル・ニュースは、新聞を始めとしたメディア各社のニュースをトピックごとに整理し、刻々とアップデートして表示するサイト。最新ニュースをざっと知るには便利なものだ。グーグルらしく、アグリゲート作業はすべて機械が行い、人の手が全く入っていない。

 だが、グーグル・ニュースは以前から新聞社のコンテンツにただ乗りしてきたとの批判にさらされてきた。ベルギーでは数年前に新聞著作権協会から著作権の侵害と訴えられ、フェアユースを主張するグーグルとの間で係争はまだ続いている。またフランスの通信会社AFPも同様の訴えを起こし、現在はグーグルが掲載に対して支払いを行っている。

 だが、他の何100社というメディア会社はただ乗りされたまま。グーグル・ニュースのトップページではニュース本文は数行表示されるだけで、実際の記事はリンクをクリックしてそのメディア会社自身のサイトに飛ばなければ読めない。グーグル側は、グーグル・ニュースは各社のサイトにトラフィックを誘導することこそあれ、決してただ乗りしているわけではないと主張し、これまでそんな不満をはねのけてきたのだ。

 ところが、この度のマードック会長の発言で事態は変わった。

 実はマードック会長はかねてより、インターネット上のニュース・コンテンツを有料化する構想を抱いており、不況下でますます苦悩する新聞業界の惨状を受けて、いよいよそれを本格的に公言し始めたのだ。

 ただ、今回の動きには裏があった。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
IT&ビジネス
関連記事
クチコミ・コメント
facebookもチェック

瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


ビジネスモデルの破壊者たち

シュンペーターの創造的破壊を地で行く世界の革新企業の最新動向と未来戦略を、シリコンバレー在住のジャーナリストがつぶさに分析します。

「ビジネスモデルの破壊者たち」

⇒バックナンバー一覧