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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

「日本株式会社」減収減益が物語るアベノミクスへの不安

森田京平・バークレイズ証券 チーフエコノミスト

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]
【第202回】 2016年3月9日
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法人企業統計の結果から、景気の厳しさが増している姿が浮かび上がる

 3月1日、財務省は10~12月期の『法人企業統計』を発表した。本統計は財務指標に基づいて、マクロ的に企業行動を把握する際、非常に有用となる。以下では、本統計に含まれる売上高、経常利益、損益分岐点を材料として、「日本株式会社」の動きを見ていこう。結論として、景気の厳しさが増している姿が浮かび上がる。

 なお、法人企業統計は、国内に本店を有する法人企業を単体ベースで調査している。従って、連結対象であっても海外の現地法人(子会社、関連法人)は調査対象に含まれない。つまり本統計は、主に国内での活動および輸出入に基づく企業財務を映し出す。

景気回復の持続性を左右する
売上高はこの20年伸びていない

 売上高から見ていこう。10~12月期の売上高は前年比-2.7%(製造業-1.4%、非製造業-3.2%)と、3四半期ぶりに前年水準を下回った(図表1)。

◆図表1:明確に鈍化する売上高

出所:財務省『法人企業統計』よりバークレイズ証券作成

 前年比で比較対象となる2014年は4月に消費税率が引き上げられた結果、同年4~6月期や7~9月期に消費が落ち込んだ。その結果、2015年7~9月期までは、売上高の前年比変化率はプラスに出やすかった。

 消費増税の影響が剥落して、売上高の前年比が実力ベースで評価できるようになったのは、今回発表された10~12月期からである。その出だしとなる10~12月期の売上高が前年比マイナスとなったということは、「日本株式会社」の売上高がいかに伸び悩んでいるかを鮮明に物語る。

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森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

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