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金融市場異論百出

「一物一価の法則」はもう古い?
刻一刻と価格が動く世界の到来

加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
2016年3月17日
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米ウォルト・ディズニーは、米国内のテーマパークにおいてチケット価格に新システムを導入。1日チケットの価格を繁閑に合わせて3段階に設定した Photo:REUTERS/アフロ

 米サンディエゴのパブ、ティプシークロウは、ビールの価格が銘柄別に客の需要によって刻々と変化するシステムを導入している。

 店内の大スクリーンに、まるで株価か為替のように、ビールの現在の価格と変化率が表示されている。人気のあるビールは価格が上がるが、客はそれを見ながら「安いからこっちにしてみようか」などと考えながら注文する。

 消費者の行動を集めたデータを用いて、アルゴリズムで需要の強弱やライバル企業の動向を判断しながら自社の販売価格を頻繁に改定していく手法をダイナミックプライシングという。以前から航空券等では使われていたが、最近の米国では前述のように適用範囲が拡大している。

 インディアナポリス動物園では、入園料が繁閑に合わせて8~30ドルで変化する。ミシガン州のスキー場の入場料も10ドル程度から30ドル超まで変動する(米紙「ウォールストリート・ジャーナル」)。

 米ウォルト・ディズニーのテーマパークでも、来客数の増加が見込まれる日は入場料が上昇することになった。例えば、フロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールドにあるマジックキングダムは、これまでの105ドルから、ピーク期間は124ドルへ引き上げられた。ハリウッドのユニバーサル・スタジオも2月から入場料が大きく変化するようになった(米ブルームバーグ)。

 ダイナミックプライシングを採用する企業の最大の動機は、販売額を伸ばしたいという点だ。成功例も多々あるが、人気があまりないアメリカンフットボールチームの場合、観戦チケット価格が低迷し、やめてしまったケースもある。

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