先の参議院議員選挙で、民主党は予想を上回る大敗を喫した。民主党内の総裁選挙などを控えて、今後の政治情勢は混沌としている。問題は、そうした政治情勢下で、政権与党がわが国の経済を強くすることができるか否かだ。
わが国はすでに人口減少局面に入り、少子高齢化が加速している。それに加えて、中国や韓国といった新興国の追い上げもあり、わが国経済の競争力は顕著に低下している。これから経済を強くすることができないと、国民所得はジリ貧になり、いずれ生活水準を切り下げざるを得ないところまで追い込まれるだろう。わが国経済は、それこそ“崖っぷち”に立たされていると言える。
では本当に、わが国の政治は、日本経済を強化することができるだろうか。結論から言えば、「本当に経済を強くすることができるか否かは疑問」ということになる。
むしろ、選挙に勝つことに汲々としている今の政治が、わが国のあるべき姿=将来像を真剣に構築することができるとは、考え難い。むしろ、有権者に耳障りのよいマニフェストを作って、得票数を増やすことに腐心するのではないだろうか。それでは、政治に経済発展の期待をかけることはできない。
我々は、政治に何かを期待することを止めた方がよい。期待できないものに期待するよりも、「自分で何とかすること」を考えるべきだ。企業も個人も、政治に頼らず、自分自身を高めることが必要だ。
政治は経済の上に立つ機能
経済活動を大きく左右してしまう
もともと政治は、経済の上に立つ機能だ。政治は、税制や福祉など社会の仕組みを決める。そうして決められた社会の枠組みの中で、企業は業務を遂行し、個人は日常の生活を営む。