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実践ミャンマー進出戦略立案マニュアル
【第6回】 2016年3月25日
著者・コラム紹介バックナンバー
杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役],行方國雄 [TMI総合法律事務所ヤンゴンオフィス代表]

日本が協力を表明した
ミャンマー・ダウェー経済特区のポテンシャリティとは!?

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今回は、日本が協力を表明したミャンマー・ダウェー経済特区のポテンシャリティについて解説する。「タイ、ミャンマーにとってのダウェーの位置付けとは何か」「現在前向きに進み始めたのは何が理由なのか」「その場合の想定される課題と成功のためのポイントは何か」、検証していきたい。

ダウェー経済特区のポテンシャリティ

 ダウェー経済特区は、2012年に動きが始まったティラワに対し、早くも2008年には動き出していた。規模でいってもティラワが2,400haであるのに対し、ダウェーは当初の報道では20,000haと、約8倍の面積と圧倒的な広さだったため、各国の注目を集めていた。しかしながら、面積の広さばかりが注目されるが、実はダウェーの重要性には、他に3つの理由がある。それは、(1)深海港であるがゆえ、容積の大きい物資の出し入れが可能な点、(2)バンコクとの地理的な近さ、(3)上記二点に由来する物流上の重要性である。
 一点目の深海港であるがゆえに、容積の大きな物資の出し入れが可能な点について、ティラワは水深9m程度しかなく、大型工作機械等の海路での積み入れが難しいといわれているのに対し、ダウェーは水深20mと2倍以上ある。それゆえ、ティラワが縫製等を中心とする軽工業に偏りがちなのに対し、ダウェーではより広範な事業が可能であると見込まれている。
 二点目はバンコクとの地理的な近さである。ダウェーはバンコクの西300kmに位置しており、現在タイに進出している多くの日系企業にとっては、陸路でバンコクからミャンマーへと輸送する手段が拡充されることになる。
 三点目は、一・二点目と密接に関わるのだが、ダウェーの物流における重要性である。ダウェー経済特区の開発には、タイのバンコクとミャンマーのダウェーを結ぶという道路開発も含まれている。実はこれが非常に重要な点で、このバンコク・ダウェー間が結ばれれば、ベトナムのホーチミン、カンボジアのプノンペン、タイのバンコクなど、大都市を結ぶ南部経済回廊が完成する。そうなれば、マラッカ海峡を経由せずにインド洋と太平洋が結ばれ、メコン地域のインド洋アクセスが可能になり、インドはもちろん、ヨーロッパやアフリカなど西側諸国に向けた進出が活発化する。こうした対西側諸国への物流リードタイムの短縮は、東南アジアでビジネスを展開する日系企業にとって、注目度の非常に高いポイントである。

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杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]

すぎた こういち/カリフォルニア大学サンタバーバラ校物理学及び生物学部卒。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)経済学修士課程卒。15年間にわたり複数の外資系投資銀行にて、海外進出戦略立案サポートや、M&Aアドバイザリーをはじめとするコーポレートファイナンス業務に携わる。2000年から2009年まで、UBS証券会社投資銀行本部M&Aアドバイザリーチームに在籍し、数多くのM&A案件においてアドバイザーを務める。また、2009年から2012年まで、米系投資銀行のフーリハン・ローキーにて、在日副代表を務める傍ら東南アジアにおけるM&Aアドバイザリー業務に従事。2012年に、東南アジアでのM&Aアドバイザリー及び業界調査を主要業務とする株式会社アジア戦略アドバイザリーを創業。よりリスク度の高い東南アジア案件において、質の高いアドバイザリーサービスの提供を目指してASEAN各国での案件を遂行中。特に、現地の主要財閥との直接の関係を生かし、日系企業と現地企業間の資本・業務提携をサポートしている。ミャンマーにおいては、大手事業会社、総合商社、金融機関等の進出戦略立案及びその実行サポートに携わる一方で、2012年よりダイヤモンド・オンライン(Diamond Online)にて、3年間にわたり人気コラム『ミャンマー その投資ブームは本物か』『海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線』を連載。

行方國雄(なめかた・くにお) [TMI総合法律事務所ヤンゴンオフィス代表]

弁護士/ニューヨーク州弁護士/TMI総合法律事務所 パートナー/TMI総合法律事務所ヤンゴンオフィス代表。東京大学法学部卒。ミシガン大学ロースクール(LLM)卒。東京大学法科大学院客員教授(2007年4月~2010年3月) 主な取り扱い分野としては、一般企業法務、M&A、株式公開支援、海外進出支援、国際訴訟・仲裁等がある。2012年10月に、日本の法律事務所としては初めてミャンマーにオフィスを開設し、その代表を務め現在に至る。2013年7月より、経済産業省及び日本貿易振興機構(JETRO)が実施する「中小企業海外展開現地支援プラットフォーム事業」の現地支援プラットフォーム・コーディネーターも務めている。 ミャンマー法に関連した論文としては、以下のようなものがある。 2016年1月「緊急特別レポート 重要法令草案などに見るミャンマー法務の現在と将来」(The Lawyers) 2014年6月「2013年度ミャンマー連邦共和国法制度調査報告書」(法務省) 2014年6月「アジア諸国における商号の保護(その2)」(知財管理) 2014年5月「ミャンマー新経済特区法の概要」(旬刊商事法務) 2014年2月「債権回収に関するアジア各国の法制度」(金融法務事情) 2013年10月「ミャンマーにおけるM&A」(MARR)


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