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柏木理佳 とてつもない中国

深刻な中国の水質汚染は、日本の環境ビジネスにとってのチャンス

柏木理佳 [生活経済ジャーナリスト]
【第18回】 2008年9月30日
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 メラミン騒動で、中国製品の安全性に対しての不安が再び高まっている。

 今回の事件では、中国では有名な乳業企業である4社──内蒙古蒙牛乳業集団股フン有限公司(蒙牛)、内蒙古伊利実業集団股有限公司(伊利)、石家庄三鹿集団股有限公司、光明乳業股有限公司の乳製品にもメラミンが混入していた。

 ところが実態はもっと恐ろしい。なぜなら大企業よりも販売ルートが明確でない中小規模の乳業企業が中国全土には1600社もある。それら企業の乳製品は、大手スーパーなどでの明確な販売ルートではなく、路上などでの販売で回収さえできない状態にあり、さらなるリスクとなっている。すでに2004年には、粉ミルクが原因で頭部巨大化幼児が発生しているだけに、今回の件は後々まで尾を引くことになるだろう。

農村部では1.9億人が
基準以下の汚染水を飲用

 さて、中国の食が問題を抱えていることが、今回改めて明らかになったわけだが、中国には、その根幹ともいえる重大な問題がある。「水の汚染」である。

 中国の地方の水道は、飲み水として使えないものがかなりを占めているが、地方ではお湯を沸かす設備さえなく、不衛生な水を飲むしか選択肢がないところがほとんどである。意図的なメラミンの混入よりも、さらに根が深い問題ともいえる。

 JETROの定義によれば、水質汚染とは、「水域にある種の物質が混入したことにより、その化学、物理、生物又は放射性等における特徴が変化し、これにより水の有効利用に影響を与え、人体の健康に危害を及ぼし、又は生態環境を破壊し、水質の悪化を引き起こす現象」である。一言で水が汚染されているといっても、それが与える影響は果てしなく大きいことがわかる。

 ではいったい、どれくらい汚染はひどいのか?

 中国の7つの大きな流域――珠江流域、長江流域、准河流域、黄河流域、海河流域、遼河流域、松花江流域において、ほとんどの地域で高い汚染が確認されている。

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柏木理佳 [生活経済ジャーナリスト]

豪州の大学へ進学後、香港にて勤務。1994年、中国の北京首都師範大学漢語科に留学後、シンガポールで会社設立等に携わる。豪州ボンド大学院MBA取得。中国経済の研究員としてシンクタンク勤務後、嘉悦大学准教授。国土交通省道路協会有識者会議メンバーも務める。現在、嘉悦大学付属産業文化観光総合研究所客員主任研究員、北東アジア総合研究所客員研究員、NPO法人キャリアカウンセラー協会理事。2015年、桜美林大学院にて博士号取得。柏木理佳ホームページ


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驚異的な成長の中で、社会や経済の歪みを孕む膨張大国・中国。中国経済の専門家が、日本人には驚きの中国の知られざる現状をレポートする。

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