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安物しか売れない時代は終わった!?
世界が注目するニッポンブランドに学ぶ
「高くても絶対欲しい」と思わせる秘訣

岩崎剛幸 [船井総合研究所 上席コンサルタント]
【第28回】 2010年7月26日
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 7月1日から全国の百貨店や大型店各社は夏のクリアランスセールをスタートさせました。今のところ各社は上々のスタートを切っていますが、売れている店と売れていない店の差が激しいのが特徴です。売れている店では「セール品だけでなく、プロパー(定価品)も動いている」という状況があるようです。この傾向は、今までとちがう新たな消費の動きとして見て取れます。

 今挙げた消費傾向のように、すべてのモノに対して興味がなくなり、価格が安いものしか買わないと思われていた消費者の消費スタイルに少しずつ変化の兆しが現れています。

 「売れる」「売れない」という差は一体どこにあるのか。今回は、消費トレンドの変化から、これからの「経営のあり方」、「ブランドづくりの方向性」を探っていきましょう。

お客様の買い方は変わった!
“圧倒的低価格”か“本物”しか売れない

 先日、コンサルティング先の社長と話をしているなかで、最近の消費傾向に話が及びました。

 同社はアパレル関係の製造小売業、いわゆるSPAと呼ばれる業態で商売をしていらっしゃる会社です。現在、次々と出店を続け、好調な業績を挙げています。

 同社の社長は、

「最近のお客様の買い方は、“これでいい消費”と“これがいい消費”にわかれますね」

という話をされていました。

 「なるほどなー」と私も共感しました。

 “これでいい”とは、わかりやすく言えば、「価格が安いもの」です。そして、「日常的に使うもの」です。素材、原料、手間はあまりかけていないものの、それなりの品質を維持しているものが該当します。いわゆる“間に合わせ的なもの”です。

 Tシャツや靴下はワゴン商品、子供用品や玩具ならネットオークションやリサイクル。特にこだわりがないものならば、とりあえず最低限の条件を満たしていればいいというものになります。ポイントは「最下限価格商品かどうか」という買い方です。

 つまり、「この商品はこれでまあいっか!」というのが“これでいい消費”です。

 一方で、“これがいい”とは、価格は中~高め。売り手側からすれば製造原価、仕入原価もかかっていて、手間もかかる。非効率な部分はあるものの、その結果として、クオリティがとても高い。まさに「特別なもの」「とっておきのもの」です。

 自分がこだわっている商品、例えばそれが趣味に関連するものであれば、「これでいい」ではモノを買いません。徹底的に自分のこだわりを貫いて、自分の納得のいく買い物をします。だから“これがいい消費”となります。

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岩崎剛幸 [船井総合研究所 上席コンサルタント]

平成3年、株式会社船井総合研究所入社。現在、同社、上席コンサルタント。「戦略は思いに従う」を信条にファッションを専門分野として、現在では百貨店、アパレルメーカー、SPA専門店を中心としたアパレル、流通小売業のコンサルティングに従事している。現場支援と通算2,000回を超える講演活動により、情熱に満ち溢れた企業づくりにまい進している。テレビ出演、雑誌、新聞などへの執筆も数多く、コメンテーターとしての活動にも注目が集まっている。この数年のコンサルティングテーマは「永続するための企業ブランド戦略づくり」。社員が誇れる会社を作るためのコンサルティングに全力を注いでいる。
最新著の『超繁盛店のツボとコツがゼッタイにわかる本』や『コンサルタントの「お仕事」と「正体」がよーくわかる本ー本当のところどうなの? 本音がわかる! 仕事がわかる!』(共に秀和システム)などがある。

【関連サイト】「丸の内ではたらく情熱コンサルタントのブログ」


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不透明な経済状況が続き、半年先の景気を読むことさえ難しい日本経済。この連載では、様々な業界やテーマで活躍する船井総研の専門コンサルタントが、業界別に分析し、半年先の景況感を予測していきます。

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