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野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む

国民年金の未納率50%は時間の問題!
正直者が損をする制度は崩壊する

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第80回】 2010年7月31日
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 国民年金の被保険者(第1号被保険者)2035万人の内訳は、2007年度末において、社会保険庁の資料『平成19年度における国民年金保険料の納付状況と今後の取組等について』によればつぎのようになっている。

・免除者315万人
・特例者、猶予者203万人
・未納者308万人
・第1号未加入者9万人

 未納者・未加入者数は、03年度(平成15年度)の490万人がピークで、それ以降は減少している。しかし、納付率は改善していない。納付率は1996年度(平成8年度)までは8割を超えていた。それが97年度(平成9年度)から7割台となり、さらに02年度(平成14年度)に急激に低下して6割台に落ち込んだのである。

 「本来保険料を支払うべき人の6割程度しか支払っていない」という異常な事態が生じる原因は、どこにあるのだろうか?

所得の低さが
主要な原因とは考えられない

 保険料が未納となる原因としてまず考えられるのは、「所得が低いため、保険料を払いたくとも払えない」ということだ。

 しかし、そのためには、「免除」や「一部免除」の制度がある。そうした申請を行なわずに保険料を納付しないのは、免除や一部免除の条件には合致しないためではないかとも考えられる。つまり、保険料を支払う能力はありながら、支払っていないと想像されるのである。

 それに、免除や一部免除が認められれば、将来給付が減額されることはあっても、受給資格を失うことはない。それにもかかわらず保険料を納付しないのは、「年金をもらえなくともよい」との意思表示とも解釈されるのである。

 このように、未納は、必ずしも保険料を「払えない」というだけの理由によるのではないと思われる。そうした疑いは、以下に見るような地域別、年齢別の納付率を見ると、さらに強められる。

大都市と若年層の未納率が高い

『平成19年度の国民年金の加入・納付状況』(社会保険庁、平成20年8月)によって保険料納付の状況を見ると、つぎのとおりだ。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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