
滅茶苦茶に見える政策が
もたらす予想外の成功
第2次トランプ政権の政策は、一言でいえば滅茶苦茶である。
諸外国に対しては関税で脅しをかけて貿易交渉を迫り、同盟を軽視して国際秩序を揺るがせ、様々な世界的問題に対する国際協調に背を向ける。
米国内では、反対派に対して強権を振りかざして徹底的に攻撃をする。米国で長年培われてきた民主的価値観や秩序をないがしろにする姿勢をあえてとっている。
第2次トランプ政権が始まって半年が経つが、トランプ政権に関するニュースが世界中で毎日のように取り上げられ、市場もまたその一挙手一投足に振り回され続けてきた。
こんなやり方が長く続くはずがないとみる識者も少なくない。しかし、それにもかかわらず、現実にはこれまでのところトランプ政権は多くの成功を収めているように見える。
もちろん、ここでいう成功とは、トランプ政権にとっての成功という意味である。だが、彼らが自分たちの政策を「成功している」と思っている限り、世界はそれにつきあい続けなければならない。